好き嫌いの分かれる鮭の皮だが…(写真・アフロ)

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 好き嫌いが分かれるのが料理の奥深いところでもあり、面白いところ。ただ、体に良いとされている食材でも、“ある部分だけは食べないほうがいい”と言われるものがある。管理栄養士の梅原祥太氏が言う。

「魚が健康的とされる理由は良質なタンパク質に加えて、魚の皮の部分に多く含まれるオメガ3脂肪酸にあります。血液中の中性脂肪や余分なコレステロールを減少させる働きがあるため、血液をサラサラにする効果が期待できます。

 しかし、オメガ3脂肪酸は加熱すると過酸化脂質に変化します。これは逆に血液を凝固させる効果も持つ。カリッと香ばしく焼かれた焼鮭の皮は“ここが一番旨い”という人もいるほどですが、食べ過ぎるとかえって血液がドロドロになる要因です」

 魚は海に流入した水銀を体内に蓄積させる。マグロなどの大型魚は食物連鎖の頂点に位置し、水銀を含んだ小魚を食べるうちに結果的に多くの水銀を体に溜めてしまう。

「蓄積量は部位によって違います。可食部(身の部分)や内臓にも含まれますが、もっとも多いのは頭部。水銀が人体に大量に入ると、脳や脊髄といった中枢神経に障害が出るとされています。重篤にならなくても集中力や記憶力低下などの健康障害につながります。マグロのカマはマグロ好きにとって醍醐味ですが、食べ過ぎに注意すべきです」(梅原氏)

 高級食材として知られるフカヒレは美容や滋養強壮に良いとされているが、デメリットもあるとする指摘もある。米国ボストン在住の内科医・大西睦子氏が言う。

「米国のマイアミ大学医学部の研究者らが、2012年にフカヒレに『β−メチルアミノ−L−アラニン』という神経毒が含まれていることを報告しています。この神経毒を摂取すると、アルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症の発症リスクが高まります」

 筋萎縮性側索硬化症は、脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロン(運動神経細胞)が侵される病気で、発症から3〜5年で呼吸筋麻痺により死亡するケースもある。治癒のために有効な治療法は確立されておらず、難病に指定されている。フカヒレスープのフカヒレを残すのはためらってしまうところだが、医学的な事実は受け入れておくしかない。

※週刊ポスト2017年4月28日号