Doctors Me(ドクターズミー)- 傷口は舐めると良くなる、は都市伝説だった!?

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料理中に指を切ってしまったり、何かの拍子にヒフを傷つけてしまう……。そんな時、思わず傷口を舐めてしまう人はいませんか? 唾液には殺菌作用がある! と思っている方もいるようですが、じつはこの方法、医学的にはNGのようなのです……。その理由を、唾液の機能も含め、詳しく解説いただきました。

■ そもそも唾液の成分とは?

耳下腺、顎下腺、舌下腺などの唾液腺から分泌される電解質を含んだ水溶液かつ消化液で、消化酵素とムチンという成分を含んでいます。

■ 超優秀な唾液。その4つの役割

1. 食べ物の咀嚼・味覚への働き
食物を湿らせ柔らかくし、食べ物を噛んだり咀嚼する際の潤滑剤として機能します。さらに、食物の一部を溶かしながら味覚を感じさせるといった重要な役割も果たしているのです。

2. 口内環境を整える
常に口腔内の粘膜表面を覆うことで口内環境を整えるといった役割もあります。それにより、口腔内が清潔に保たれ、また体内の脱水程度を察知するセンサーも正常に機能。また、会話をする際の滑らかさとも関連しています。

3. 食べ物の消化・吸収を助ける
消化酵素であるアミラーゼという成分を含み、主に炭水化物を分解して吸収しやすくします。また、これには歯のまわりをきれいに保つ働きもあるので、口内洗浄にも役立ちます。

4. 口内のpH値を一定にキープ&バクテリアの増殖を抑制
口腔内pHを一定に保ち、虫歯の出来にくい歯をサポートしてくれます。また、リゾチーム・過酸化酵素・IgA(抗体の一種)といった成分も含まれ、これらはバクテリアの増殖を防いでくれています。

■ 防衛機能はあるが、傷口には危険!

以上のことから、唾液にさまざまな体にとって必要な防衛機能をもっていることがわかると思います。実際に、口腔内乾燥症で唾液が十分に分泌されていない患者さんは、虫歯の発症や歯周病の悪化、カンジダ症の出現が多いことが知られています。

しかし、どんなに歯磨きをしたとしても、口内には非常に多くの細菌が潜んでいるのも事実。そのため傷口に唾液を付けると、それらの菌を血液内に押し込んでしまう危険性も考えられるのです。口腔内に住む菌には心臓の弁にくっつきやすく心臓弁の障害を起こすものもあるので、傷ができたときはきれいな水で洗い流し消毒液を用いるのが適切です。化膿するようなら抗生剤も活用しましょう。

■ 医師からのアドバイス

歯磨きやデンタルフロスで歯茎が出血した場合も、その傷口から細菌が入ってしまうことがあり、心臓への負担を少しだけ高めてしまうことになります。この場合も、うがいなどで傷口をキレイに洗い流すようにしましょう。