/元禄時代の桔梗屋は、人の家にいる神々に祈ってもムダと、自分の家に居着いている貧乏神を祭ることにした。それを聞きつけ、他家から七福神もやってきて、またたくまに稀代の分限者へと大成功する。/時は元禄、戦乱も絶えて久しく、上方を中心に商人たちが大きな屋敷を構えるようになる。京の長者町、七つの蔵、九つの座敷、千木万草に囲まれ、七五人もの手代を使う染物の大店(おおだな)、桔梗屋もまた、そのひとつ。だが、