◆明治座「十一月花形歌舞伎」(26日千秋楽)「待ってました、中村屋!」。8年ぶりの明治座登場に浜町の下町っ子の掛け声が聞こえるようだった。中村勘九郎(43)と七之助(41)兄弟を中核に2人の祖父、父の芸と精神を受け継ぐ奮闘公演だ。花形の女形トップランナー七之助に目が向いた。昼の「一本刀土俵入」でお蔦、夜は「お染の七役」。祖父7世芝翫の名演が忘れ難いお蔦は初演の際に教わった。早替わりが見せ場の