菅首相が昨年その座についた直後に、日本学術会議の構成メンバー選定を巡っての強権的姿勢が明らかになり、強い批判を浴びました。安保法制の制定時に反対の態度をとった人たちが任命拒否の対象だったのです。5年半前の意趣返しさながらで、学問への政治の圧力と見られたのです。この背景には、憲法9条の規定がいささか厳密さを欠くために様々な解釈を許容する余地を生み出してきたことがあります。憲法学者たちの殆どが安保法制