「デビューした10代のころは、初めは自分ではあまりよくわからずに活動していて、徐々に理解していったという感じ。20代はいろいろ揺れ動きました。たくさんのターニングポイントがありましたね。人間は基本的に1つの要素では変われない。複合的な要素があって初めて大きく変わります。僕もいくつものことが重なり合って、変わっていきました」

 こう語るのは’72年のデビューから40年あまりを経て、5月20日に100枚目のシングル『100の願い』を発売する郷ひろみ(59)。この偉業を成し遂げたのは、あるべき姿を突き詰めてきた結果だ。そんな、歌手・郷ひろみのターニングポイントとなった曲とは?本人が解説してくれた。

『よろしく哀愁』
「15歳のとき、ひょんなことからジャニーさんと巡り合ってあっという間にデビューして、当時は何が何だかわからず活動していましたが、このころやっと自分の仕事を客観的に見られるようになりました。事務所を変わったり、いろいろあって、10代の大きな変化のときでした」

『お嫁サンバ』
「20代後半のいろいろ揺れ動くころでしたね。こんないい歌にどうして“イチニサンバ”って歌詞を入れるんだろう?って疑問に思いました(笑)。プロデューサーの酒井さんから『絶対歌い継がれていく歌だ』と言い切られ、半ば納得させられて歌いました」

バラード3部作『僕がどんなに君を好きか、君はしらない』『言えないよ』『逢いたくてしかたない』
「デビューして約20年。僕のなかで何となく歌が歌えるようになってきたかなと思えたころ。歌手としてやっと一人前になれたのかも、という意識が芽生えたので、バラードを歌えたんだと思うし、みなさんに認めてもらえたので3曲歌うことができたんだと思います」

『GOLD FINGER ’99』
「当初“アチチ”という歌詞は初めだけで、あとは英語の歌詞が多かったんですが、僕が“アチチ”を連発してください、とお願いしたんです。『お嫁サンバ』での経験があったので、この歌が歌えたし、“アチチ”がキャッチーかな、と思えました。経験が生かされましたね」