まるで陶器みたい!「ねんど」で作ったアクセサリーがかわいい

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「ねんど」といえば、小学生が工作に使うもの……。そんなイメージを持っていたのだが、どうやら間違っていた。新刊「はじめてのねんどアクセサリー」(アトリエ・ペルト 著/誠文堂新光社 刊)で、ねんどで作ったとは思えないクオリティのアクセサリーの数々を見てハッとした。すごくかわいい!

表紙に“陶器のような”と書かれている通り、ツヤのある質感。本当に、ねんどではなく、陶器で作ったように見える。本書によると、石の粉からできた「石塑ねんど」というものを使っているとのこと。このねんどは、クラフトショップや画材店などで手に入るそう。

ハンドメイドならではの雰囲気もかわいく、丸、三角、植物、動物、乗り物などなど、モチーフは実にさまざま。ブローチ、リング、ピアスやネックレスなど、それぞれの金具をつければ、いろんなアクセサリーを作ることができる。オリジナルブランド、アトリエ・ペルトを立ち上げ、デザイナー&セラミック作家として活動している著者の佐藤玲奈さんに、ねんどで作るアクセサリーについて話を伺った。

――まず、石塑ねんどでアクセサリーを作ろうと思ったきっかけを教えていただけますか?
もともとセラミック(磁器)でブローチやピアスなどを作っていました。磁器だと質感がきれいですが、成形や乾燥などの過程がとてもデリケートで、作るのが難しいんです。その上、素焼き(約900℃)・本焼き(約1250℃)と2回高温の窯で焼く必要があるほか、専門的な材料も必要になります。ご家庭で作るのは難しいので、本で紹介するには向いていないと思いました。でも石塑ねんどであれば、ご家庭でも手軽に使える素材なので良いなと思ったんです。

――石塑ねんどのメリット、魅力はどんなところですか?
成形から色づけまで手軽に作れて、ニスをたっぷり塗ることで、出来上がりが陶器のように仕上がりますし、軽量なところもアクセサリーにぴったりです。専門的な画材を使用しなくても、気軽に色をつけられるのも魅力です。また、乾燥してからは、落としたとしても多少のことでは割れない強度もあります。お子さまと一緒に作るのも楽しいと思います。私自身、子どもの頃に、ねんどあそびをしたことが今の活動につながっているので、ぜひ手軽にご家庭でねんどに親しんでほしいと思いました。

子どもの頃のねんど遊び……。そんな楽しい感覚で作りながら、本格的なアクセサリーができるなんて!
本書では基本の作り方について写真付きで解説されているのだが、その工程を見ていると、たしかに気軽に作れそう。不器用な人でも付属の型紙を使えば安心。こんなかわいいモチーフのアクセサリーが自分で作れたらうれしいはず!

ねんどのアクセサリーについていろいろ調べてみたところ、紙ねんどで作るアクセサリーは、特に海外ではやっているらしい。そうそう、工作といえば、紙ねんどだった! 紙ねんどでも同じように作れるのだろうか。 

――紙ねんどと石塑ねんどには、どんな違いがありますか?
紙ねんどは繊維が多く含まれていて、乾燥してから紙ヤスリで削ったりすると毛羽立ってしまいます。でも、石塑ねんどは石の粒子が細かいので、乾燥してから削ったり細かい細工ができるんです。先ほどお話したように、とても軽量で強度がありますし。より陶器の見た目に近づけるために角を丸く、ぽってりと仕上げるのにも適しています。石塑ねんどは、手触りが滑らかなので、個人的にも扱いやすくて好きです。

過去にはフィンランドを拠点に活動していた佐藤さん。作品のやさしい色使いや、温かい雰囲気のモチーフには、そんな佐藤さんのバックグラウンドも感じられる。

箸置きやマグネット、写真のようなラッピングもチーフなど、少しアレンジして作る方法も。テクニックやコツをつかめば、アイデア次第でもっといろんなアイテムが作れるかも、なんて夢も広がる。

アクセサリーとはいえ、本書で紹介されている「ハリネズミ」や「ネコ」、「恐竜」モチーフのブローチなどは、男性でもオシャレに使えそう。本当にかわいいモチーフが多いので、手づくりが好きな人に限らず、ぜひチェックしてほしい!
(田辺 香)