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千葉県・幕張メッセにて開催中の最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2014」。自動車関連メーカーも多数出展し、カーエレクトロニクスやスマートモビリティをテーマに展示を行っている。今回は新型「デミオ」も展示されたマツダブースを中心に、自動車メーカーの展示内容を紹介しよう。

○新型「デミオ」に搭載された先進安全技術の展示も

マツダブースでは、同社の安全思想「マツダ プロアクティブ セーフティ」を前面に打ち出し、新型「デミオ」に搭載された市販技術と、現在研究中の開発技術をアピールする展示が行われている。

新型「デミオ」には、「優れた安全性能がつくりだす"走る歓び"」をキーワードに、マツダのすべての安全思想が継承されているという。プレゼンテーションにて、安全運転をサポートする「ベース技術」と、万が一ミスした場合に対応する「先進技術」との2段構えとなっていることが紹介された。

「ベース技術」でとくに目を引くのが、新世代HMI「ヘッズアップコクピット」だ。新型「デミオ」では、カーナビの他にインターネットラジオやソーシャルメディアなど、多様な情報を提供する通信システム「マツダ コネクト」を搭載しているのだが、ドライバーはこれらの情報を利用できる一方、前方道路から目を離したり、気がそれたり、ハンドルから手を離したりすることで、不注意運転のリスクが高まる可能性がある。

「ヘッズアップコクピット」は、そうした注意力の低下を最小限にとどめ、走行安全を優先させることがコンセプトだという。具体的には、「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」「7インチセンターディスプレイ」「コマンダーコントロール」の3つの技術から構成されている。

「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」は、ドライバーの視線の移動を最小限に抑えるため、車速やナビゲーションなどの重要情報をメーターフード上部に表示する技術。「7インチセンターディスプレイ」は、文字の大きさや行間など見やすい表示を追求し、そこからモニターサイズを決定したという。「コマンダーコントロール」は、手元を目で確認することなく、「マツダ コネクト」を操作できる機構だ。いずれも「アクセラ」から採用された安全技術だが、コンパクトカーである「デミオ」にも惜しみなく投入された。

「先進技術」としては、各種検知デバイスを用いた「アイ・アクティブセンス」を、「アテンザ」「アクセラ」に続いて「デミオ」にも採用。ドライバーに迫る危険を気づかせ、安全運転を支援するテクノロジーだ。フロントガラスにはカメラと近赤外線レーダーが設置され、前者は車線を認識してはみ出しを警告、後者は障害物を検知してブレーキをコントロールし、衝突回避をサポートする。リヤバンパー内側には準ミリ波レーダーが配され、バック時に接近する車両などを検知して通知する。

○まぶしさを軽減する新世代ヘッドランプも開発中

その他、マツダブースで注目されたのが、新世代ヘッドランプ「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」と、「Mazda3 自動走行システム搭載車」の展示。どちらも現在開発中の技術だ。

「Mazda3 自動走行システム搭載車」は、高精度GPSや車両センシング技術、人の感覚を重視した運転制御技術を搭載した、マツダ独自の自動走行システム搭載車。ドライバーを信頼、尊重し、万が一のミスや避けられない事象の回避をサポートするという考えの下、開発が進められているという。7月に米国カリフォルニア州のサーキット「Mazda Raceway Laguna Seca」で行われたテスト走行の様子も上映された。

「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」は、日本の自動車メーカーとして初公開となるLEDアレイ式グレアフリー(防眩)ハイビームを採用した、新世代ヘッドライトシステム。ハイビーム光源を4分割し、カメラが対向車のヘッドランプや先行車のテールランプを検知すると、その部分に照射しているブロックのみ消灯し、まぶしさを軽減するという。マツダブースにて、グレアフリーハイビームの消灯イメージがわかるデモンストレーション展示も行われた。

○トヨタ・ホンダも次世代のテクノロジーを公開

「CEATEC JAPAN 2014」にはトヨタとホンダも出展している。トヨタブースでは、燃料電池自動車「FCV」と、燃料電池自動車用の水素充填機が並んで展示され、次世代のクルマ社会を予感させた。ホンダブースでは、高圧水素タンクから充填ノズルまでをパッケージ化した「スマート水素ステーション」の実物大モックアップが展示され、ホンダ独自の技術をアピールしていた。

「CEATEC JAPAN 2014」は10月11日まで、幕張メッセの国際展示場1〜6ホールなどにて開催中(開場時間は10〜17時)。入場料は一般1,000円、学生500円で、最終日の11日は無料公開日(18歳以上は入場登録が必要)となっている。

(櫛田理子)