新米上司にありがちな失敗 「自分のことでいっぱいいっぱいに…」

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「晴れて昇進したものの、いざ上司になってみると、なかなか仕事をうまく回せない…」
「自分にも部下がついたがどう接していいのか分からない…」

 こういった悩みは、部下を持つようになった人なら、だれでも一度は抱えたことがあるはずです。
 一社員から部下を管理する立場になると、仕事のやり方をはじめ、さまざまなことが変化し、それに対応しなければならなくなります。
 そんな新人上司にありがちな失敗を探るべく、私、新刊JPライターの浅田が調査をしてみました。

■自分のことでいっぱいいっぱいになって周りが見えなくなる
 新人上司が陥りやすい失敗として、「自分のことでいっぱいいっぱいになってしまって、周りが見えなくなる」と言うのは、管理部に所属する40代男性。上司になると自分が見ていなければいけない範囲が上下に一気に広がり、新人上司はまずその仕事量でキャパオーバーになってしまうのだといいます。
 本来は、上司は仕事を抱え込むのではなく、部下に仕事を振って、管理・監督しなければならないのですが、新人上司は仕事の振り方の塩梅が分からないのです。その結果出てくるのが、部下の教育ができないといった、二次的・三次的な問題。部下の教育ができないから、さらに仕事が回らなくなるという悪循環を生みだしてしまいます。

■指示することに慣れていないことがミスにつながり…
 また、営業部の部長を務める40代男性は、「調子に乗ってしまうこと」を新人上司の失敗として挙げました。調子に乗って自分の能力以上の仕事を抱え込んでしまったり、部下に無茶な指示を出してしまったりすることがあるそうです。
 また、指示することに慣れていないため、単純な指示ミスも多くなるほか、仕事に一生懸命になりすぎて、プライベートがおろそかになる傾向があるのだそうです。

 これらの新人上司の失敗を防ぐことはできないのでしょうか。基本的には「やってみて、失敗して、経験から学んでいく」ことしかないのかもしれません。
 ですが、「新人上司はだれしも仕事につまずきを覚えるものである」ということを自覚しておくだけで、新人上司のプレッシャーは大幅に軽減されるはずです。

 また、こうした悩みについて答えてくれるビジネス書はたくさん出ています。
 今回取材に応じてくれた管理部の男性が「まさにこれ」と挙げてくれたのが文庫版『なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか?』(吉田典生/著、ソフトバンク クリエイティブ/刊)。また、『駆け出しマネージャーの成長論』(中原淳/著、中央公論新社/刊)は順を追って説明してくれるので、分かりやすく読むことができます。
 新米上司になると必ず通る道があるものです。これから上司になるという人、上司になりたての人は、先輩たちのアドバイスに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部/浅田由妃)