「女性向け添い寝サービス」が密かな人気。その実態を直撃取材

 先日、女子会で友人がふとつぶやいた。「ムラムラする時、どうしてる?」その日のメンバーは全員、彼氏なし。セフレなし。愛人なし。えげつない下ネタを平気で話す割には、実生活は女学生(もしくは妖精)のように清い私たち。それでも無性にひと肌が恋しくなる夜もある。だって30代の女のコだもん。

 男はいいよなぁ。その辺でナンパするとか、風俗へ行くとか、いろいろ選択肢があるもんなぁ。女はつらいよ。そう思っていた時、たまたま見つけた。“添い寝して行う、新感覚の女性向けカウンセリングサービス”。これはもしや、女性向け風俗……? でもカウンセリングって何……? 「ヒメシエスタ」というサロンに問い合わせたところ、男性スタッフに会って話を聞くことができた。

◆女性向け風俗なのか? スタッフを直撃

 待ち合わせのカフェへ行くと、スーツ姿の爽やかな青年がコーヒーを飲んでいた。30代半ば、元大手企業社員のリョウさん。物腰やわらかく、「なんでも聞いてください」と言われたので、単刀直入に「添い寝って、風俗なんじゃないですか?」と聞いた。

「そういう捉え方で利用されるお客様もいるし、そうでない方もいる」とのこと。基本的に、サービスはホテルの部屋で行われる。ホテルと言ったらやることは一つ……と思いきや、そうではないという。ただソファに座って話を聞いてほしい人もいれば、一緒にベッドで眠りたいという人もいる。ベッドではどこまで? A? B? それともC……? 前のめりになる記者に、リョウさんは説明してくれた。「お客様一人一人のご希望に沿ったサービスをします」。申込みフォームにも希望を書く欄があるが、実際に会ってからのコミュニケーションやスキンシップを通して、熟練の男性スタッフが「この女性はこうすればきっと満たされる」と思うサービスを行うという。

◆「恋愛感情にフタをして仕事に集中したかった」

 後日、実際にこのサービスを利用している女性に会わせてもらった。システムエンジニアのA子さん(29歳)は昨年末に初めて申し込んでから、月1回のペースでこれまでに4回利用しているそう。知的な印象のたおやか美女で、わざわざお金を払わなくても、さぞかしおモテになるのでは? と聞くと、やはり男性から誘われることがよくあるという。男性の多い職場で、どうやらマドンナ的存在のようだ。

 しかし、「職場の男性を時として恋愛対象に見てしまう自分がイヤで仕方なかった」と話すA子さん。結婚願望のない彼女は、恋愛感情にはフタをして、とにかく仕事に集中したい。どうしても同僚を異性として見てしまう時があり、レディースコミックを読んだり、アダルトサイトを覗いたりして、気を紛らわせていた時期もあった。

 それでもモヤモヤが消えず、このサービスに相談メールを送った。初めてリョウさんに会った日は、カフェで4時間話し込んだという。誰にも言えなかった悩みをすべて打ち明けると、急に心が軽くなり、身も心もリョウさんに委ねたいと思ったそうだ。

 サービスを利用するようになって、A子さんの中で大きな変化があった。“執着心”がなくなったのだという。仕事に集中したいのに、恋愛感情や性欲はジャマ。周りはみんな自由に恋愛を楽しんでいるのに、自分だけが一人で葛藤していると思うと孤独を感じる。そういった複雑なモヤモヤが消えたとか。

 結果、職場の男性を意識することがなくなり、仕事に全神経を集中できるようになったと喜ぶA子さん。もともとは恋愛体質で惚れっぽいと話していたが、リョウさんに気持ちが向くことはないのだろうか? 「今のところはないです。でも今後はあるかも知れない。この4か月間で自分の中に変化が起きたように、これからもいろいろな変化があるのかなと思う。そう考えるとワクワクするんです」と目を輝かせていた。

 肌を重ねるというのは、女性にとってもの凄くデリケートなこと。お金で簡単に割り切れるものなのだろうか? リョウさんに聞くと、「一見、ホストクラブと似ているようですが、お客様が求めているものが全く違うんです。ホストクラブが刺激なら、ヒメシエスタは癒し。“性のカウンセリングサービス”です。お客様の多くが、A子さんのように切迫した悩みを抱えています。真剣に話を聞いたり、体で癒したりすることで、お客様の心と体が少しでも楽になれば」と話してくれた。

 お金を払って時間制で男性とホテルへ。それはイコール、風俗なのではと思っていた。しかしその実態は、風俗というより“クリニック”に近いのかも知れない。性について悩んだ時、解決方法はいくつかある。その選択肢の一つとしてこういったサービスがあるのではないだろうか。

取材協力/ヒメシエスタ http://hime-siesta.com/
<TEXT/汁子 ILLUSTRATION/Surabhi25 , Adi Surya Pradipta >