高効率の新型エンジン「SKYACTIV-G 2.0」と新型変速機「SKYACTIV-DRIVE」を初搭載した新型アクセラの生産開始というニュースが発表されました。


高圧縮比(高膨張比)による効率アップがポイントのSKYACTIV-G(ガソリン)エンジンは、すでにデミオのマイナーチェンジで搭載され、その効率性は知られつつあるところですが、もうひとつのSKYACTIVである「SKYACTIV-DRIVE」とは何でしょうか?


一言でいえば、その正体は新型の6速オートマチック・トランスミッション。


エンジンとミッションの伝達部分にトルクコンバータを使う、いわゆるステップ式ATです。


クルマ好きから見ると、高効率を求めるならDCTが一番で、流体によって伝達するトルクコンバーターを使ったステップ式ATで高効率を狙うなんて、あり得ないと思うかもしれません。


しかし、SKYACTIV-DRIVEの6速オートマチックのトルクコンバーター部分を、従来のそれと同様に考えてはいけないのです。


そもそも、最近の(といっても10年以上前から)トルクコンバーターはエンジンと変速機を直結するロックアップ機構がついていて、可能なかぎりロックアップ領域を広げることで、高効率を狙ってきました。


そして、このSKYACTIV-DRIVEではロックアップ領域を格段に広げています。


マツダいわく『これまでの流体継手を主体とした構造を転換』しているということ。


つまり、これまでのトルコンが流体によるトルク伝達を主としていて、ロックアップを従としていたとすれば、SKYACTIV-DRIVEではロックアップが主、流体継手が従といった具合に、その関係が逆転しているのです。


マツダ技報 No.29 より


つまり伝達性能については多板となったロックアップクラッチが担当、流体継手は振動や騒音低減対策として活用しているというわけ。


そのためにトルクコンバーター内部でも流体継手のスペースは小さくなり、そのぶん多板ロックアップクラッチのスペースが広がっているといいます。


SKYACTIV紹介ビデオより


遊星ギアを使う従来型ステップ式ATに見えながら、動力伝達機構における流体継手とロックアップクラッチの主従関係を逆転させたことが高効率につながったSKYACTIV-DRIVE。


ダイレクト感あふれる新型ATは、どんなドライブフィールを生み出すのでしょうか。



【画像や動画がすべて見られない方は】
http://clicccar.com/2011/08/09/50241


(山本晋也)



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