クルマのウィンドウをボディへ固定する方法は、挟み込む方法から現在では接着する方法になっています。それは衝突時にウィンドウが飛び散らないようにするためで、安全性に配慮してのことでもあります。また、水漏れを容易に防いだり騒音を抑えたり、部品点数を減らすことができたりもしてきました。


そして接着できることによって、ピラーをウィンドウで隠しウィンドウが連続して見えるヒドゥン・ピラーの構造もつくりやすくなったのです。またスモークガラスの採用によって、ピラーはほんとうに見えない存在ともなってきました。


ところが、スモークガラスを前提とするクルマでは、ピラーが本当はどんな形をしているのか、実は知っているようで知らなかったりします。


下に写真で示したのは、わかりやすいように写真を明るくしています。 実はピラーは思った以上に太くなっているのです。もちろんピラーはボディに必要な強度を確保するためのものですし、視界もしっかりと検証したうえでのことなので太いからといって大きな問題はないのだと思います。そしてさらに、室内に入ってしまえばピラーまわりのきれいな造形も手伝って、こんなものかなと錯覚してしまうようです。そのため”外見の印象よりも、見えにくいと感じる人は意外にも少ない”ようです。


しかし、ここにブレークスルーがあるのではないでしょうか? ピラーをドライバーからできるだけ細く見えるように立体的に設計すれば?(もちろん当たり前のことなのでしょうが・・・)  のりしろ部分を工夫して、できるだけ細くできれば? スモークガラスでは外見からその努力はわからないのかもしれませんが、必ずやすごく視界のよいクルマとなるのではないでしょうか?


そんな目でいろんなクルマを見てみると、クルマの意外なカタチに気が付くかもしれませんね。


(MATSUNAGA, Hironobu)



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