以前は、あまりのコースの長さからゲームには収録できなかったニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ。それまでは現地に行かないと体験できない難コースでしたが、2004年に発売されたグランツーリスモ4に収録され、ニュル挑戦の敷居はぐっと低くなったといいます。(注:GT4が初収録ではありません。)


 


写真にはにこやかに笑う?木下選手。GT4の試遊機はイベント会場で見るアレでした。


サーキットはコースを覚えないと攻め込めません。ニュルには170以上ものコーナーがあるサーキットです。かつては、「JGTC仕様のスープラが直線でぶち抜いたmini(昔の)に、コーナーで抜き返された上に引き離される」という様な事態があちこちで起きていたそうです。


グランツーリスモのおかげでコースはゲームで覚えられる様になり、挑戦の敷居はぐっと低くなりました。


しかし、24時間走り続けるということは、夜も走ることになります。日本のサーキットでは近年十勝でしか経験出来なかった24時間レース。この夜間走行がとてつもなく怖い。コースの中盤、アデナウの街のそばを過ぎると暫くは深い森の中を走ります。照明設備はほぼ無し。明かりは自車のライトのみ。周囲の風景は見えず、下りでは路面を照らしきれない中で恐怖と戦いながらの走行となります。


 


ライト調整

夜は走り出せば左右は漆黒の闇。点けられる物なら何でも点けたいトコロです。


さらに怖いのが、より明るいライトを装備した車が後方から迫ると「自分の車の影が自分の前に出来、照らしきれず真っ暗」に見える…いや見えないそうです。


瞳が急激に明順応を起こすと目の前の影の中が見えない状態になります。この場合、一番の策は、「追い抜かせる―とにかく前に出す」事だそうです。そうすれば、強力な「自分のライト」替わりとして使うことにもなります。そんな怖いレースですから、極めて割り切って「夜中は走らない」=走行を休止するチームもありました。今年のレース当日の日没は20:34頃、夜明けは3:44頃となります。緯度が高い地域特有の短い初夏の夜。なるべく多くの車に夜明けを迎えてほしいものです。


さて、今回はプライベーターでもちょっと有名なドライバーを紹介したいと思います。山内一典/山本泰吉両選手はNo.71 NISSAN GT-Rで参戦します。山内選手はゲームソフト:GranTurismoのプロデューサー。ニュルをバーチャル環境では世界で一番走り込んでいる人…かもしれません。山本選手はスーパー耐久のCIVICでチャンピオン経験があり、「GT-R(RBエンジン)の連勝記録をCIVICで止める」と云う偉業を達成した人物。今はレーシングドライバーの傍ら、オペラパフォーマンスというチューニングショップの代表です。スーパー耐久チャンピオンを獲得したCIVICも山本選手自身の手による車です。


 


Gathers Drider's CIVIC (1999)

山本選手自身が作り上げたGathers Drider's CIVIC はツインリンクもてぎに展示してありました。


参戦車両はSchulze Motorsports(現地の日産・ルノー他のディーラーチーム)によるメンテナンスです。そのオーナーの息子兄弟(トビアスとミハエル)と4人で挑戦します。FIA‐GTでも活躍中のGT-R、鍛えられたニュルでの活躍に期待しましょう。


 


SchultzeGT-R

24h本番でのゼッケンは“71”です。写真はVLNでのマシン(オペラパフォーマンスサイトより)


グランツーリスモドットコム http://www.gran-turismo.com/jp/
オペラパフォーマンスHP http://opera-performance.com/
Schulze Motorsports HP(モータースポーツのページ ドイツ語) http://www.ah-schulze.de/index.php?option=com_content&view=article&id=15&Itemid=3


(川崎BASE)


 




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