――携帯小説の連載もされていますが、歌詞を書き始める以前から、文字を綴る作業はされていたんです?

榎本:いや、全くやってないですね。小説もあまり読んだことはないですし。でも自伝というか、「その人がどうやって生きてきたんだろう?」というのには昔からすごく興味があって。伝記みたいなものは興味があると読んだりするんですけど、物語になっている小説だったりはあまり読んではいなくて。書くこともそんなに得意な方ではないなぁ、と思っていたんですけど。でも、自分の思いがすごく溢れてきて、それが歌になった時に、自分の口からでも言えることがあるんじゃないか?というのはすごく思って。文章能力やテクニックは実際ちょっとないんですけど、始めてみようかなと思って、書かせてもらって。

――曲を作る時、詞とメロディはどちらが先ですか?

榎本:結構バラバラで、曲によって全然違うんですけど、でも同時に生まれてくることがすごく多くて。その同時の中でもう一回考え直して、というのがすごく多いですね。

――曲が生まれるきっかけのようなものはありますか?

榎本:人との出会いの中ですごく考えさせられる時というか、自分が考えてる以上に相手がフル回転で頭を働かせてる時にインスパイアを受けることがすごくあって。普段話していて、自分の一番悩んでいることや考えていて分からないこととかを、他人からの色々な一言で感じることがすごくありますね。

――以前は、今と比べても人見知りだったんですか?

榎本:そうですねー。今もそんなに…(笑)。ワァーって自分から話していく感じではないんですが。でも、結構人は好きなんですけど。

――人から刺激を受けることや、そこで新たに気付かされることは、自分にとって大切だと感じている。

榎本:そうですね、自分の気持ちが内に向かっている時は、色んな人の声が聞こえてくるし。自分でイッパイイッパイになっちゃっている時は色々と計ってしまうから、人の声ってなかなか聞こえてこない時もあるし。でも今はすごく「進んでいきたい」という気持ちが自分の中にあるなと感じていますね。

――ライブ中は、無心に近いですか?それとも頭を使って考えてしまうこともありますか?

榎本:頭を使ってというか、実際にそういう時も。この曲を真っ直ぐ伝えるためには、自分がこの曲の気持ちをすごく良く理解していることが大事だな、と思っていて。でもたまに、自分の心の乱れでその曲が理解できない時があるんですね。そういった時が一番困ってしまう時なんですけど。普段そんなに頭を使う人間ではないので(笑)、その気持ちの通りに生きていけたらいいなと思うし。真っ直ぐにその目的さえ見ていれば、生きていけれるものだと思っているので。そういった気持ちがあっての頭だと思うので、何とも言えないんですけど。でも、揺れる時もありますね。揺れる時にどうしよう?っていう時もありますけど(笑)。曲を見て、すり合わせて、自分の人生が動いているような気もしていて。

――曲を作った当時の自分と、今の自分に差異を感じるというか、変化していると感じることはありますか?

榎本:多少。気持ちも、その目的も変わらないんですけど、忘れようと努力する時はありますね(笑)。たまにそういう時ありません?ただ、やっぱり最終的にまた戻っていこう、って思うんですけど。