【理不尽クレーム】接客は嫌いじゃない、それでも「もう仕事を辞めたい」心は悲鳴!販売員が語るカスハラの実態【作者に聞く】

【漫画】カスハラという言葉を知ってから、人波が怖くてドキドキしてしまう…
販売の現場で経験した出来事を漫画として発信し、多くの共感を集めているタジマオオカ@pu92yuさん。なかでも、販売員が直面する理不尽なクレームや嫌がらせを描いた「かすはら物語」は大きな反響を呼んだ。今回は、そのリメイク作品「お客様は神様ですか?」から、カスハラによって心身に変化が現れた当時を振り返るエピソードを紹介する。



カスハラという言葉を知り、自分が受けてきた理不尽な出来事を客観的に認識するようになった頃から、タジマさんの心と体には変化が現れ始めた。お客様と目を合わせることが怖くなり、出勤前には手のひらに大量の汗をかく。それでも接客そのものが嫌いになったわけではなかったという。「お客様を嫌いになるとか、接客そのものが嫌になるとかもありませんでした。ただ、人前に出ると恐怖心を感じてしまって…」
当時は汗をかくことを前提に着替えを持参し、動悸がすると深呼吸を繰り返すなど、その場を乗り切るための工夫を続けながら働いていたそうだ。
■出勤前の1時間が支えだった日々
複数の店舗を回る販売の仕事では、常に新しい環境へ適応する必要がある。元気なときは問題なくても、心が弱っているときはそれさえ重荷になった。そのためタジマさんは、出勤時間より1時間ほど早く現地へ向かうようになったという。「早く到着して1時間ほど店の外でぶらぶらして、その街の雰囲気に慣れてから仕事に入るようにしていました」
仕事が始まる前に少しでも気持ちを落ち着かせる。その時間がなければ、店頭に立つことさえ難しかったのである。
■書き出して見えた本当の気持ち
心の整理をするため、モヤモヤした感情を書き出して捨てることも続けていた。「書き出すことで気持ちの整理というか、事態を客観的に見ることができました」
また、カスハラを繰り返す人たちについて考えるうちに、ある共通点も感じたという。
「カスハラにも、いきなり怒鳴るとかネチネチ系とか、いろいろあるとは思うのですが、カスハラする側には『言ってやるぞ』というワクワク感と言いますか、高揚感みたいなものは感じます」被害を受ける側だからこそ見えてきた感覚だった。
■辞める決意と揺れ動く本音
小さな「仕事を辞めたい」という気持ちは、少しずつ積み重なっていった。そして、毎日のように1時間早く出勤する生活が続いたとき、「もう辞めてもいいかな…」と思うようになったという。
それでも気持ちは簡単に割り切れなかった。接客が嫌いになったわけではない。お客様が嫌いになったわけでもない。だからこそ、「辞めたら後悔するかもしれない」という思いも消えなかった。
カスハラによる傷は、怒りだけではなく、自分が好きだった仕事との距離まで変えてしまう。本作は、そんな見えにくい苦しさを静かに描き出している。
■取材協力:タジマオオカ(@pu92yu)
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