【暗雲】複数大規模事業進行中で唯一難航「海洋文化施設」…前市長肝いり事業に市長が苦言も現状と行方は?(静岡市)
静岡市“肝いり ”の事業に暗雲が立ち込めています。清水港で、本来は4月にもオープンする予定だった「海洋文化施設」は、計画そのものの見直しを迫られています。いったい何が?
東静岡駅北口の新アリーナや清水駅東口の新スタジアムなど、2026年に入り、大規模事業が着々と前進している静岡市。その一方で…。
(静岡市 難波市長)
「唯一進んでいないのは『海洋ミュージアム』。採算がとれない事業をやるわけにはいかない」
(静岡市 難波市長)
「市長になった時に『このプロジェクトはまずい』『構造的に問題あり』と直感的にわかったので簡単には動かないと思っていた」
難色を示す難波市長…、一体なぜ、プロジェクトは止まっているのでしょうか…。
この「海洋文化施設」は、2017年、田辺前市長の「肝いり事業」としてスタートしたものです。
5階建ての建物に1700mという国内トップレベルの大型水槽を備えて、「清水を観光拠点として発展させよう」というビジョンを描いていました。
特別目的会社が市が求める水準を満たす提案をしたことで、事業は一気に前進、2023年に契約を締結し3月にもオープンする予定でした。
しかし3月19日、建設予定地に行ってみると…。
(高山 基彦 キャスター)
「当初は来月オープンの予定でしたが、まだ着工には至っておらず、予定地はがらんとした空き地のままです」
現在、オープン時期についてはまったくめどが立っていません。その原因となっているのが、建設費の大幅な高騰です。
当初、事業者は建設費を94億円と試算していましたが、近年の物価や人件費の高騰により、さらに70億円以上かかることが明らかとなり、「計画の見直し」を余儀なくされたのです。
市と事業者は、「施設の構造」や「大型水槽の規模」などについて、“ 市が提案する水準を満たす”ことを前提に契約を結びました。そのため事業者には、「施設の規模を維持しながらコストダウンする」ことが求められているのです。この状況について、市議会では建設に慎重な声が強まっています。
(静岡市議会 風間委員)
「仮に目玉ともいえる大型水槽などの規模が縮小されれば、収益見通しに影響を及ぼすことが懸念され、当初の最優秀提案たる根拠が崩れる可能性があります。事業者の起因により要求水準が達成できない場合、契約上どのような扱いになるのか聞かせてください」
(静岡市 海洋政策統括官)
「確認の結果、要求水準が達成できていない場合は、市は要求水準を満たす再提案を求めます」
市は事業者側に、3月中にも事業・運営計画を見直すよう求めていますが、提案次第では計画が白紙になる可能性も。
建設へ二の足を踏むこのプロジェクトを、地元の人たちはどのように受け止めているのでしょうか?
(市民)
「(計画を)聞いたことはある。(進ちょくは)全然分からない。そこにしかない 特別な。その施設だけのものがあれば行く」
(市民)
「規模的にどのぐらいか分からないけど。アシカショーとかあれば子どもと行く。中途半端だろうなと思ってしまう」
前の市長のもとで進められたこのプロジェクトですが…、引き継いだ難波市長は”計画そのもの”に問題があると指摘し、憤りを露わにしました。
(静岡市 難波市長)
「赤字が出た時には、市が損失分の何パーセントかを埋める契約になっている。はっきり申し上げますけど契約がおかしいです。赤字が出たら赤字の一部を市がロスシェア(損失補てん)しますと…契約すること自体が私はどうかしていると思います」
難波市長は、事業で損失が出た場合、その一部を市が負担する「ロスシェア」はおかしいと批判。さらに、博物館とアミューズメント施設の機能が“どっちつかず”になっていて、「収益性がある事業形態になっていない」と、苦言を呈しました。
2025年12月、「Daiichi-TV」の単独インタビューに対し、難波市長からはこんな本音も…。
(静岡市 難波市長)
「個人的な意見になりますけど、1000トンの水槽はいらないと思います。そういう水族館ではない、新しいタイプの水族館がどんどん出てきている。演出をうまくやる水族館。水槽があってお魚を見てではなくいろいろな演出が今どんどん出てきているので、本当はそういう風に変えていったらいいですけど。さっき言った元々の要求水準の縛りがあるので、自由には変えられないっていうところが、非常に、その制約になっているんじゃないか」
「海洋文化施設」は、計画がまとまれば、2026年の夏に着工し、2029年の春以降にオープンする予定ですが、市と事業者双方が納得する計画は示されるのでしょうか?
難波市長は3月中にも今後の方針を発表する見込みです。
