7日の国際親善試合で、スペイン代表に0−1で敗れたイングランド代表のスティーブ・マクラーレン監督は、敗戦の理由に主力の負傷欠場を挙げた。

 目だった見せ場も作れないまま、63分に喫したMFアンドレス・イニエスタのゴールに沈んだイングランド。終了後には、サポーターからのブーイングが聞こえた試合について、マクラーレンは親善試合の難しさとケガ人の多さを口にした。

「主力の大半を欠いたため、難しい試合になることは予想していた。オーウェン・ハーグリーブスやウェイン・ルーニー、そしてジョン・テリーといったビッグネームを欠いたのだから。それに、親善試合では戦力のテストも同時に行なわなければならない。選手がチームにフィットするかどうかを中心に考えていた部分もあったのでね」

 一方、この試合で代表初スタメンを飾ったGKベン・フォスターなど、戦力の上積みを実感したとマクラーレンは語る。

「スペインは技術的に素晴らしいチームで、難しい試合になった。ただ、収穫がなかったわけではない。ベン・フォスターはいいプレーを見せたし、センターバックでリオ・ファーディナンドとコンビを組んだジョナサン・ウッドゲイトも素晴らしかった。キーロン・ダイヤーも幾つかチャンスを作っていた。ただ、イニエスタが得点シーンで見せたような決定力が、我々には欠けていた」

 試合後のコメントでは、終始“親善試合”であることをアピールしたマクラーレンは、「言い訳をするつもりはないが、来月に控えたイスラエル戦こそが本番だ」と、3月に再開するユーロ2008予選を見据えたチーム作りを強調した。しかし、予選グループEでクロアチア、ロシアに次ぐ3位と、予選突破に黄信号が灯る危機的状況に、指揮官に対するサポーターの信頼は確実に薄れつつある。マクラーレンに残された時間は、それほど多くはないと言えそうだ。