フランス杯ベスト8進出をかけた8試合が1月30日と31日に行なわれ、リーグ・アン首位のリヨンがマルセイユに敗れた。

 試合は序盤からMFリベリを起点に積極的に攻め上がるマルセイユのペース。しかしリヨンは前半18分、ジュニーニョのフリーキックをDFクリスが頭で合わせて先制点をあげ、優位に立った。マルセイユはサイドへのロングボール、中央でのドリブルなどで、その後も執拗に攻め立てたが、再三のチャンスをリヨンの守護神クペに阻まれた。

 いったんはリヨンのペースになりかけた後半、マルセイユのエモン監督は中盤に代えてニアン、パジスと2人のフォワードを投入。87分にパジスが同点ゴール、その4分後にニアンがル・マン戦に続くロスタイムでの決勝ゴールをあげ、鮮やかな逆転勝利をおさめた。

 今年に入ってリーグ戦で2敗1分けとまだ勝ち星のないリヨン。この試合で危機感がさらに深まった。今シーズン前半は、リーグ戦、国内カップ戦、チャンピオンズリーグ(CL)を合わせて22勝1敗4分けと絶好調で、向かうところ敵なし。欧州のクラブで、セルティック・グラスゴーのみが40年前に成し遂げた「4冠」(リーグ、国内2つのカップ、欧州カップ)も夢ではないと思われた。しかしその夢も、リベリ-シセのコンビ誕生とともに勢いづくマルセイユの前に潰えた。

 試合終了まで5分間で逆転を決められたこの試合は、リヨンにとって昨年のCL準々決勝(対ACミラン)の悪夢を呼び起こすものとなった。この悪夢を振り払って、CL決勝トーナメント1回戦(対ASローマ、2月21日と3月6日)に臨まなければならない。しかし考えようによっては、「4冠」は成らなかったものの、フランス杯(ベスト8は2月27日、28日)に敗退してスケジュールは楽になった。順調に勝ち星を積み重ねれば、王者の自信は自然と戻るに違いない。