中村アン、“キレる妻”役は「チャンスタイム」 興味のなかった“結婚”への意識の変化も
ABCテレビ・テレビ朝日系で7月6日より放送がスタートした『こんばんは、朝山家です。』。小澤征悦と共に主演を務める中村アンが演じるのは、“残念な夫”賢太(小澤征悦)を売れない頃から経済・精神の両面で支え、家事・育児も担ってきた“キレる妻”朝山朝子だ。本作で母親役に本格的に挑戦することになった中村に、役作りや夫婦像の捉え方、そして自身の結婚観について語ってもらった。
参考:中村アンと小澤征悦の掛け合いがとにかく面白い 『こんばんは、朝山家です。』は名作の予感
ーー台本を読んだとき、どんな印象を持ちましたか?
中村アン(以下、中村):とにかくセリフ量が多くて驚きました。舞台みたいな感覚で、声量もテンポも求められるし、これまで静かなトーンの作品が多かった分、“ぶつける”演技にパワーが要るなと。ある意味、“チャンスタイム”だと思いました。
ーー中村さんのこれまでのイメージと少し違う役でもありますよね。
中村:そうなんです。でも、小澤(征悦)さんがああいうお人柄でポーンと空気を作ってくださるので、それに乗せられて演じられるのはすごく助かってます。根底は“愛”の話なので、きつい言葉でもちゃんとその奥にある愛情を込めてぶつけています(笑)。
ーー以前から「母親役に挑戦したい」と話されていましたよね。その理由を改めて教えてください。
中村:キャリアを重ねた女性役が多かったこともあり、やったことのない役に挑戦したいという思いがありました。母親役はやってみたかったですし、足立(紳)さんの脚本はヒューマンで温かくて、言葉の掛け合いも面白くて……これはチャンスだと思いました。
ーー実際に演じてみて、ハードルの高さは感じましたか?
中村:はい、めちゃくちゃ感じました(笑)。第5話あたりでは、夫婦の会話だけで台本が10ページくらいあって、本当にずっと“あーだこーだ”言ってるんです。クスッと笑えるオチに向かうまでのラリーの連続で、なかなかセリフが入ってこなくて……。でも、日々の撮影を重ねていると、少しずつ頭がそのテンポに馴染んでいく気がしています。
ーー家庭の描写はかなりリアルですね。
中村:ケンカしたり、言い合ったりって、誰しも少なからず経験がありますよね。だから“こんな家族もいるよ”っていうリアルさがある。でもきついことを言っても、相手(夫・賢太)がニヤニヤして終わる(笑)。まったく噛み合わない感じが、むしろ面白いなと思ってます。
「年齢とともに求められる役も難しくなってきた」
ーー朝子と賢太の関係について、どう捉えていますか?
中村:賢太は朝子に頭が上がらないタイプで(笑)、夢追い人でありながら、朝子が社長を務め、営業など現実的な部分を担っている。朝子は彼の脚本を本当に面白いと思ってるし、才能を信じ、サポートしている。そのバランスが夫婦として成立しているんだと思います。
ーー恋愛ではなく“家族”を描いたドラマですよね。
中村:そうなんです。手を繋いだり、抱き合ったりすることもなくて、どちらかというと“部活”みたいな感覚(笑)。チームで動いてるような空気感です。恋愛っぽくないけど、長く一緒にいる夫婦ってきっとこういう感じなんだろうなって。
ーーこの作品を通じて、ご自身の結婚観にも変化がありましたか?
中村:いや~、結婚って大変そうだなって思いました(笑)。私自身、揺れ動く年齢なので、もちろん憧れはあるし、「お母さんにしてくれてありがとう」とか、そういう言葉の意味も少し理解できた気がします。でも、現実的には本当にいろんな形があって。理想ばかり見てる自分に気づくこともありますね。
ーー“揺れ動く年齢”という表現もありましたが、ご自身もそう感じている?
中村:そうですね。この2~3年は興味のなかった結婚というものを少し意識するようになりました。ドラマを通じて学ぶことも多くて、今作はすごくリアルなお話なので、いろんな面で自分自身の勉強にもなっています。
ーー『おむすび』で朝ドラ初出演を果たしたりと、役柄の幅もどんどん広がっていますよね。
中村:ありがたいことに、年齢とともに求められる役も難しくなってきて。たとえば『NICE FLIGHT!』(テレビ朝日系)で管制官を演じたときも、「管制のセリフを覚えられるかな……」と不安でした。ただ、今回はそれ以上にハードルが高く感じました。でも、こういう役をいただけるのは本当に幸せだなと。しがみついてでもちゃんとやり切りたいですし、“濃厚すぎる2カ月半”を経て、なんとか生きて初夏を迎えたいです(笑)。
ーー最後に、今後への思いを聞かせてください。
中村:この作品との出会いにすごく感謝しています。こうして声をかけていただけるのは本当にうれしいこと。俳優業に関しても、今は朝山家に全力を注いで楽しみたいです!
(取材・文=宮川翔)
