熱海富士(右)の勇み足で6連勝の豊昇龍(撮影・佐藤厚) 

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 「大相撲九州場所・6日目」(15日、福岡国際センター)

 大関豊昇龍がラッキーな白星で全勝を守った。平幕熱海富士に押し出されたかに見えたが、相手の勇み足に救われた。初日から6連勝は関取になってから初めて。幸運の追い風も受けて、2度目の優勝を目指す。新大関大の里は先場所に続いて若隆景に苦杯をなめて2敗目。大関琴桜は阿炎を下して1敗をキープした。全勝は豊昇龍と平幕阿武剋の2人。1敗が4人となった。

 運も実力のうち。豊昇龍が相撲で負けて勝負に勝った。熱海富士に右を抱えられ、のど輪で起こされて万事休すと思われた土俵際。押し出されながら最後まで残した左かかとが効いた。相手の左つま先がわずかに早く俵を踏み越して勇み足に。物言いはついたが、軍配通りに勝利を手にした。

 3連敗中と合口の悪い相手だっただけに、この1勝は大きい。「危なかった。まあ、何より勝って良かった」と、結果を前向きに受け止めた。「相撲に関しては良くなかった。明日しっかり集中してやりたい」と反省も忘れず。「熱海富士は毎場所重くなっている気はする」と首をひねりながらも「何キロあるの?189キロ?そりゃ重いわ」と苦笑する余裕があった。

 関取昇進後では自己新の無傷6連勝。「気にしていない。気にすると硬くなっちゃう」と無関心を貫く構えを見せた。ただ、拾った白星から波に乗るのはよく見る光景だ。八角理事長(元横綱北勝海)は「これで優勝あるかなって、俺だったらそう考えるな」と好影響に言及。昨年名古屋場所以来2度目の賜杯へ、豊昇龍に風が吹いてきた。