サッカー日本代表、W杯最終予選12年ぶりの首位ターン!「うらやましい」ほどのアウェー大歓声の中4発完封
◆2026年北中米W杯アジア最終予選 第5戦 インドネシア0―4日本(15日、インドネシア・ジャカルタ)
【ジャカルタ(インドネシア)15日=金川誉】8大会連続のW杯出場を目指す日本代表(FIFAランク15位)は、インドネシア代表(同130位)に4―0で勝利した。前半35分にオウンゴールで先制して26戦連続得点の歴代最多記録を更新すると、同40分にMF南野拓実(29)=モナコ=が、MF中村俊輔に並ぶ歴代10位タイの代表通算24点目で突き放した。同予選C組では4勝1分けの勝ち点13とし、2位・オーストラリアに勝ち点差7をつけて12年ぶりの首位で最終予選を折り返した。19日にはアウェーで同組4位の中国と対戦する。
約6万人のインドネシア・サポーターが繰り出す地響きのような大歓声に、雷鳴、そして試合前に突如降り始めた大雨。完全アウェーの環境下で森保ジャパンが力の差を見せつけた。森保一監督(56)は「超アウェーの中で本当に厳しい状況でしたけど、たくさんの日本サポーターが念を送ってくれたことが、選手たちが耐えること、走り抜くことにつながった」と感謝した。
帰化選手が多く、海外組9人が先発した相手に押し込まれた序盤の劣勢を耐えしのぐと、前半35分にMF鎌田のラストパスがオウンゴールを誘って先制。さらに同40分にもMF南野が決めると、後半にもMF守田、さらに途中出場したMF菅原のゴールで突き放した。
今最終予選で主力を務めてきたDF谷口、FW上田を負傷で欠き、FW小川、DF橋岡が同予選初先発。しかし、序盤は相手の勢いにのみ込まれた。前半9分、3バック中央に入ったDF板倉が、雨で滑ったロングボールの処理を誤りピンチに。相手FWとの1対1はGK鈴木の好セーブでしのいだ。チーム全体でわずかな隙もカバーした。
相手の攻撃に崩れなかった点は収穫だ。耐えたからこそ、日本の強みと言えるコンビネーションで先制点が生まれた。ゴール前に人数をそろえた相手守備陣の間に守田が進入。相手を引きつけると、ワンタッチパスでフリーになった鎌田へ送り、決定機が生まれた。環境に惑わされず、どうすれば点が取れるのか、やるべきことをやったからこそのゴールラッシュだった。
試合前から歌い続け、点差がついても応援をやめなかった相手サポーターに、森保監督は「素晴らしいインドネシアのサッカーを取り巻く熱狂的な雰囲気の中で試合ができて、サッカーに携わる者として非常にうれしく思っている」と敬意を表した。選手たちも最後まで攻撃の手を緩めることはなかった。アジアの盟主として力を示し、8大会連続のW杯出場へ前進した。
◆W杯最終予選での首位ターン W杯最終予選折り返し時点での首位ターンは、ブラジルW杯出場を目指した12年9月のザック・ジャパン以来2度目。フランスW杯最終予選では、97年10月時点で5チーム中3位で折り返し、加茂周監督が解任される事態になった。南アフリカW杯最終予選は09年2月時点で5チーム中2位。ロシアW杯最終予選は16年11月時点で6チーム中2位(1位と同勝ち点)。前回のカタールW杯最終予選は、21年10月時点で6チーム中3位だった。