攻守にわたって安定したパフォーマンスを披露した町田 photo/Getty Images

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森保一監督率いる日本代表は2026年のW杯に向けたアジア最終予選でインドネシア代表と対戦した。

システムはお馴染みとなった[3-4-3]。GKは鈴木彩艶、3バックは右から橋岡大樹、板倉滉、町田浩樹の並び、ダブルボランチに守田英正と遠藤航、両サイドのウイングバックは右に堂安律、左に三笘薫、シャドウは鎌田大地と南野拓実で、最前線には小川航基が起用された。

前節オーストラリア戦からの変更は4人で、田中碧と久保建英がベンチスタート、谷口彰悟と上田綺世は怪我で招集外となっている。

インドネシアはコペンハーゲンでプレイするケヴィン・ダイクス、ヴェネツィア所属のジェイ・イツェスら帰化組が多く先発に名を連ねた。

序盤は日本がボールを持つ展開に。インドネシアは積極的なプレッシングでボール奪取を試みる。大雨の影響があり、ところどころパスのスピードが遅くなるシーンが散見される

最初にチャンスを得たのはホームのインドネシア。日本に押し込まれた展開から一気にカウンター発動。ラグナー・オラットマングーンが抜け出し板倉が対応するも、ボールのバウンドを読み違えたか、オラットマングーンがGK鈴木と1対1の場面を作る。それでもGK鈴木のビッグセーブでシュートを防ぎ、ピンチを切り抜けた。

13分、三笘のドリブルから左サイドでフリーキックを獲得。堂安が低い球をゴール前に送り込むも、インドネシアに跳ね返されてしまう。

17分、鎌田、遠藤、守田の3人が連携したプレイでインドネシアのプレスをかわし、最後は右サイドから堂安がクロスを供給。高さのある小川がゴール前に走り込むも、ゴールは奪えない。

27分、最終ラインの町田が左サイドの三笘にパスを供給。この試合で町田は積極的に左サイドのスペースへパスを出しており、三笘のスピードを生かしている。短いパスだけでなく町田のような1つ飛ばした鋭いパスは、相手を崩すうえで非常に効果的だ。

35分、日本代表が先制に成功。最終ラインの町田がペナルティエリア左隅付近からボックス内の守田にパス。そのトラップを受けた鎌田が左に抜け出し、最後はゴール前で小川が押し込んだ。ここでも町田のパスが起点となっている。

4分後の39分には日本に追加点が生まれた。スペースへのパスに反応した三笘がボックス内にパスを出し、ゴール前に走り込んだ南野がダイレクトで合わせ、2-0とリードを得る。シュートは左ポストに当たってゴールに入っており、GKマールテン・パエスはノーチャンスだったといえる。

186cmとサイズのある小川は多くの場面で顔を出し、起点となっている。相手を背負ってボールを収めることができ、ボックス外でもその高さが生きている。

後半、日本はゴールを決めた南野に代えてスピードのある前田大然を投入した。ポジションは左WB、三笘がシャドウに入った。

日本の3点目は意外な形から訪れた。インドネシアのビルドアップにプレスをかけると、GKのパスが守田の足下に。焦る場面だが守田は非常に冷静で、寄せてくるDFを外し右足を振り抜いた。ボールはゴール左に吸い込まれ、日本のリードは3点にまで広がる。

62分、堂安、三笘を下げ、伊東純也、菅原由勢を投入。伊東がシャドウ、菅原が右WBに入る。菅原はアジア最終予選初出場となった。

69分、その菅原がチーム4点目をゲット。右サイドで伊東とのシンプルなワンツーからボックス内に侵入。右サイド深くまで持ち運んで最後はニアを撃ち抜き、追加点を決めた。

4点をリードしている展開ということもあって日本は積極的に交代枠を使う。80分には小川、鎌田が下がり、旗手怜央、大橋祐紀が投入された。大橋はフル代表デビューとなる。

その後はスコア動かず、0-4と日本がアウェイで大勝を飾った。序盤は大雨という最悪なコンディションの中でインドネシアのプレッシングに苦戦する場面もあったが、それでも4ゴールを奪っており、アジアで日本の力が頭一つ抜けていることを証明した。ただ、ディフェンスラインは安定感がなく、冨安健洋、伊藤洋輝の離脱が今後も続くのであれば、新戦力を探す必要があるのかもしれない。

[スコア]
インドネシア 0-4 日本

[得点者]
日本
OG ジャスティン・ハブナー(35)
南野拓実 (40)
守田英正 (49)
菅原由勢(69)