海自掃海艇「うくしま」が沈没 行方不明の1人の捜索を実施
福岡海上保安部によると、10日午前9時50分ごろ、福岡県宗像市の大島沖を航行中の海上自衛隊の掃海艇「うくしま」から、「エンジンルームで火災が発生し、1人が取り残されている」と第7管区海上保安本部に通報があった。
同保安部などが消火活動を続けたが、11日午前0時5分ごろに転覆し、鎮火した。3等海曹の男性機関員(33)が行方不明となっており、海上保安庁の潜水士が午後から捜索を実施している。
火災のあった海上自衛隊の掃海艇「うくしま」(手前)=2024年11月10日午後3時52分、福岡県宗像市沖、朝日新聞社ヘリから、日吉健吾撮影
防衛省は11日午後、うくしまは11日午前8時半ごろに沈没したと発表した。
防衛省や海保によると、うくしま(全長54メートル、基準排水量510トン)には38人が乗船し、10日に山口県下関市を出港し、鹿児島県志布志市の港に向かっていた。午前9時45分ごろ、宗像市の大島から北に約2.3キロ離れた海上で、エンジンルームのエンジンから出火し、そこで当直中の海自隊員2人のうち、3等海曹が取り残され、行方不明となった。もう1人の20代男性隊員は救助され、無事だった。ほかの乗組員36人は別の掃海艇「とよしま」に移り、けがはないという。
うくしまは11月中旬に始まる日米共同訓練などの準備のための訓練中だったといい、10日、事故調査委員会を設置した。
掃海艇は、海中に敷設されている機雷を見つけて除去し、船舶の航行の安全確保を図る役割がある。海自によると、機雷には磁気に反応して爆発するものがあるため、うくしまの船体は木製という。(伊藤未来、中村有紀子)