【新展開】「闇バイト」“指示役”で暴力団組員・西村達哉容疑者(27)逮捕 元福岡県警「犯罪の手口“シノギの仕方”が変化」

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11月1日、SNSで「闇バイト」を募集した疑いで、熊本市に住む16歳の男子高校生と18歳の姉が逮捕された事件で、5日、警察は新たに“指示役”とみられる男を、職業安定法違反の疑いで逮捕しました。

逮捕されたのは、九州の指定暴力団「道仁会」系の組の幹部・西村達哉容疑者(27)。

西村容疑者は、10代のきょうだいに指示し、SNSに「短期間で高収入、やりたい人いたら連絡ください」などと投稿させたとみられています。
警察は、「闇バイト」が暴力団の資金源になった可能性もあるとみて、捜査を続けています。

「シノギの仕方が変化」暴力団と“トクリュウ”

「闇バイト」へ勧誘する「リクルーター」グループのまとめ役とみられている西村容疑者。暴力団内では、どのような立場だったのでしょうか?

元福岡県警・暴力団対策部長 尾上芳信氏:
(西村容疑者の)おそらく年齢等から考えても、(道仁会の)三次、四次団体のですね、少人数しかいない組の幹部ということではないかなというふうに思います。

実行役やリクルーター役などの上に、指示役や首謀者がいる「ピラミッド構造」となっている特殊詐欺などを行う犯罪グループの中で、西村容疑者は「指示役」を担い、「首謀者」から使われる立場だった可能性があるといいます。

福岡県内に本拠地を置く5つの指定暴力団の中でも、特に好戦的とされる「道仁会」。
警察から度重なる取り締まりを受けながらも、いまだに勢力を保ち続けています。

元福岡県警・暴力団対策部長 尾上芳信氏:
(暴力団対策法以降)色んな企業であるとか、飲食店などからの“みかじめ”っていうのが非常に厳しくなっていると思うんですよね。そういった状況の中で、やつらも生きていかなければならない、また上部団体に対する上納(金)もしなきゃならない。そういった中で、振り込め詐欺や“闇バイト”を募集してですね、犯罪の手口が“シノギの仕方”がだんだんと変わってきているのかなと思います。

――首都圏で発生している連続強盗事件に関係はあるのでしょうか?
元福岡県警・暴力団対策部長 尾上芳信氏:
少なからず暴力団組織が関与している可能性は十分にあると考えています。
直接暴力団組織が指示役であるのか、あるいは匿名・流動型犯罪グループが事件を起こして、そのみかじめを暴力団組織に上納する、そういったケースもあるのではないかと。

――今回の逮捕と、関東の事件に関わりがあるかはまだ分かっていない?
そうですね、その点については熊本県警のほうが、首都圏警察と今後連携をとるのだと思いますけども、これまでも実行犯らは、首都圏だけの居住者ではないんですよね。全国で募集した人物を首都圏に送り込むと。そういったこともあり得るのではないかと。

フジテレビ解説委員 風間晋氏:
今回で学ばなくてはいけないのは、闇バイトに応募するということは、暴力団に加担することになるのだと。あるいは、闇バイトで自分の個人情報を出すということは、暴力団にあなたの個人情報がいきますよということなんだと。そこはやはり、もっと広く認識しないといけないんじゃないかなと。

――今後どのような捜査がなされるのでしょうか?
元福岡県警・暴力団対策部長 尾上芳信氏:
匿名・流動型犯罪グループについて、警察庁の音頭で日本全国の警察が連携して捜査をするようになっております。おそらく今回の事件についても、その関連性があるのかどうかというのが捜査のポイントになると思います。
しかし、これまでの捜査ではなかなか首謀者まで行き着けていないという、問題点があるのではないかなと。今回「職業安定法違反」という罪名で検挙されておりますけども、今後はSNS上で闇バイトを募集しただけでも、検挙できるような新法の成立とか、そういったことが必要になってくるのではないかと。
(「めざまし8」11月7日放送より)