鳥栖は17歳の鈴木大馳(写真左)がFC東京戦でデビュー【写真:mm】

写真拡大

来季トップチーム昇格内定の鳥栖FW鈴木大馳が途中出場

 サガン鳥栖は10月5日のJ1リーグ第33節でFC東京と対戦し、1-1で引き分けた。

 残留争いをしている最下位の鳥栖にとっては勝ち点3が欲しいところだったが、後半28分のリトアニア代表MFヴィキンタス・スリヴカの加入後初ゴールで得たリードを守り切れずに11試合ぶりの勝利を逃している。

 同点に追い付かれた直後の後半39分からは、来季のトップチーム昇格が内定しているU-18所属の17歳のFW鈴木大馳が途中出場し、J1デビューを果たした。鈴木は右サイドでポストプレーを見せ、終盤にはカウンターからエリア内までボールを運び、チャンスメイクをする場面もあったが、シュートに行く直前にGK野澤大志ブランドンに阻止された。

 試合終盤の鈴木投入について、木谷公亮監督は「チームの戦力になると思って出しましたし、ベンチ入りもさせました。彼は推進力もあるし、シュート能力も高い。最後にゴールというところを期待しましたし、ハードワークのところも考えて出場させました」と、その意図を語り経験を積ませること以上に戦力としての起用だったと語る。

 チームメイトのFW富樫敬真も「本当にポテンシャルがすごく高い選手で、特に独特なフィニッシュまでの自分で持っていける力を持っている。そういうのはすごく、プロの練習からも発揮しています。良い選手だと思いますし、こういった状況でもみんなで彼の力を引き出せるようにやっていきたい」と、難しいチーム状況でデビューを果たした17歳への期待も口にした。

 デビューを果たした鈴木は「出られたことは一つ成長できたところだと思いますが、FWとして点を取ることができなかったので、そこは悔しいしか残っていないです。監督にもゴールを目指せと言われて、自分も点を取ることだけ考えて入っていたので」と悔しさを見せた。

 カウンターからチャンスになった場面については「相手DFが勢いよく来ていたように見えたので切り返したら行けると思っていたのですが、判断が甘くてダメでした」と唇をかんだ。この先の残り試合、鈴木自身がどれだけ結果を残せるかによっても、来季の鳥栖がJ1を舞台に戦えるか、J2を舞台に戦えるかが変わってくるだろう。

 ゴールを挙げられなかった鈴木だが、「できた部分ももちろんありましたし、ポストプレーではたいたり、キープしたりというのは、J1の強度やプレスの速さの感覚は掴めました」と得られたこともあったと口にする。そして、「絶対に来年もJ1でやりたいので、自分がやってやるという気持ちをもって、しっかり他人事ではなく、自分事にしてやっていきたい。個人としては今季のうちにJ1の舞台で点を取りたいですが、一番はチームを残留させること。チームで一丸となってできるようにしていきたい」と、クラブのJ1残留への貢献を誓った。(河合 拓 / Taku Kawai)