DRAJは、2023年(1〜12月)のデータ復旧業界・市場規模について統計データを発表しました。

 

DRAJ「データ復旧市場規模について」

 

DRAJは、2023年(1〜12月)のデータ復旧業界・市場規模について統計データを発表。

調査の結果、2023年における業界全体のハードディスクドライブ(HDD)およびソリッドステートドライブ(SSD)の復旧依頼台数は、昨年比減の73,400台(パソコン55,200台、外付け15,400台、サーバー2,800台)と推定した。

パソコン(PC)の販売台数は、個人向けは新型コロナ5類移行で低迷、法人向けは働き方の変化で中上位製品に需要はあったが、全体では3年連続の減少傾向。

外付けについては、HDDからSSDへのシフトが更に進みつつあるも、PC等のマザーマシーンの販売台数減の影響を受け、総販売台数は減少しつつも一定の復旧依頼率を保っている。

サーバーについては、オンプレミスからクラウド化への移行が更に加速し、販売台数は減少も、ランサムウェアによる被害は依然後を絶たず、大容量のデータに影響を及ぼすため被害は大規模化。

この種の復旧依頼相談件数も増加傾向にあり、当会としても引き続き課題とする。

データ復旧業界・市場全体としては、個人および法人とも復旧依頼台数は若干の減少傾向にあり、近年ではWindows11に対応したパソコンのセキュリティ仕様による暗号化機能でデータ復旧作業に対応していてもユーザーが意識していない暗号機能で復号が出来ないケースも目立ってきている。

同協会としては来年10月にサポート終了となるWindows10に備えWindows11へアップグレード時やこれを搭載したパソコンに買い替え使用する場合は、必ず「Microsoftアカウント登録」や「BitLockerの回復キーのバックアップ」を行うよう推奨している。

また、データ復旧サービスに関するトラブル相談も未だ絶えず、同協会としても公益性ある活動をより一層強めていく一環として、昨年、「データ復旧サービスのガイドライン」および「データ被害時におけるベンダー選定チェックシート」を公開した。

さらに2024年に入り、当会のホームページを一新した際、「データ復旧サービスのトラブルにあわれた方の問題解決に向けた支援のための情報」を提供。

ビジネスや日常生活の緊急事態につけ込む悪質な業者の手口を「レスキュー商法」と呼び、「データ復旧サービスのレスキュー商法」として、よくある勧誘手口も随時公開することにした。

■2023年

【PC (MM総研参考)】

(1)販売台数(2023年):1,077.5万台

(2)稼働分(5年分)  :7,221.5万台

(3)データ消失率  :0.90%

(4)復旧必要台数((2)×(3)):65.0万台

(5)復旧依頼率   :8.50%

(6)復旧依頼台数((4)×(5)):5.52万台

【外付け(NAS含む) ※テレビ録画用途を除く】

(7)販売台数(2023年):222.7万台

(8)※稼働分(5年分) :1,181.9万台

(9)データ消失率  :1.00%

(10)復旧必要台数((8)×(9)) :11.8万台

(11)復旧依頼率   :13.0%

(12)復旧依頼台数((10)×(11)):1.54万台

【サーバー(MM総研参考)】

(13)販売台数(2023年)  :34.2万台

(14)稼働分(5年分)    :203.2万台

(15)データ消失率    :1.00%

(16)復旧必要台数(×(15)):2.03万台

(17)復旧依頼率     :14.0%

(18)復旧依頼台数((16)×(17))    :0.28万台

(19)合計復旧依頼数((6)+(12)+(18)):7.34万台

<用語の定義、推定根拠については下記の通り>

※1 (5),(11),(17)の復旧依頼率は前回調査同様、各社の経験値から算定。

※2 (7)については、同協会独自調査から推計。

※3 (8)については、アーカイブ、バックアップ用途の未稼働分を含む。

※4 (15)については、サーバーの原価償却期間を5年として稼働期間を定義、その間に各HDD個体の障害に遭遇する確率が全体で30%ほどに達するとして、冗長化継続対応を怠ったためにデータを消失するユーザーが1%と想定。

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