獅司(左)を突き落としで破った尊富士(撮影・開出牧)

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 「大相撲秋場所・13日目」(20日、両国国技館)

 十両尊富士(伊勢ケ浜)が、獅子を強烈な右おっつけからの突き落としで下し、12勝目を挙げた。

 この日は大リーグ・ドジャース大谷翔平投手の51本塁打、51盗塁、いわゆる「51−51」をニュースで知った。野球好きの尊富士は自身と同じく東北出身の怪物に「誰が見てもすごいけど、野球に対する姿勢はすごい」とリスペクト。自身も春場所で1914年夏場所の両国以来110年ぶりとなる新入幕優勝という大記録を打ち立てたが、「大谷さんも相撲をやっていたら大記録を出していたと思う」と冗談を交えながらも尊敬の念が尽きなかった。

 優勝を争う千代翔馬が3敗を守ったため、初場所以来2度目の十両優勝は14日目以降に持ち越しとなった。幕内復帰も見える1敗をキープしたが、「そこは終わってからの結果論。今は一番一番」と話し、「明日から平常心で。早く場所を終われるように淡々と。お客さんを喜ばせられるように」と気を緩める様子はなかった。