【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 40,345.41  ▼410.34 (9/6)
NASDAQ: 16,690.83  ▼436.83 (9/6)

1.概況

先週末の米国市場は米雇用統計が雇用拡大ペースの鈍化を示す内容となったことで、米景気減速への懸念が出て大幅下落となりました。1ドル高とほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は朝方に253ドル高まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ大きく下げ幅を広げ取引終盤には458ドル安まで下落しました。その後は下げ渋りましたが、引き続き安値圏で推移すると結局410ドル安の40,345ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も436ポイント安の16,690ポイントと反落となりました。

2.経済指標等

8月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比14万2000人増に止まり市場予想を下回りました。また、6月の雇用者数が17万9000人から11万8000人に、7月が11万4000人から8万9000人にそれぞれ下方修正されました。失業率は4.2%と前月から0.1ポイント改善し市場予想と一致しています。さらに平均時給は前月比0.4%上昇し市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産を除く10業種が下げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスと一般消費財・サービスが3%近く下落したほか、情報技術も2%以上下げました。また、金融と素材、エネルギー、資本財・サービスも1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が下げました。そのなかでもアマゾン・ドット・コム[AMZN]とアメリカン・エキスプレス[AXP]が3%を超える下落となったほか、ボーイング[BA]とインテル[INTC]、ハネウェル・インターナショナル[HON]、JPモルガン・チェース[JPM]、スリーエム[MMM]が2%以上下げました。一方でトラベラーズ[TRV]とマクドナルド[MCD]、ビザ[V]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]の5銘柄が上げ、トラベラーズは1%以上上昇しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、決算を発表した半導体のブロードコム[AVGO]が8-10月期の売上高見通しが市場予想を下回ったことで10%安となりました。そのほかの半導体株も安くエヌビディア[NVDA]が4%余り下落し、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とマイクロン・テクノロジー[MU]、クアルコム[QCOM]も3%以上下げました。ウエスタン・デジタル[WDC]も3%近く下落し、テキサス・インストゥルメンツ[TXN]も2%安となっています。主力ハイテク株も安くテスラ[TSLA]が8%を超える下落となり、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]も4%安となりました。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]も3%以上下げ、ネットフリックス[NFLX]も2%を超える下落となりました。

大手金融株も安くウェルズ・ファーゴ[WFC]が5%安となり、バンク・オブ・アメリカ[BAC]も3%以上下げました。モルガン・スタンレー[MS]も3%近く下げ、シティーグループ[C]も2%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.02%低い3.71%となりました。ドル円は142円台前半で推移しています。141円台後半まで円高が進む場面もありました。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安に加え、円高への警戒感もあり大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の36,000円を割り込み大きく下げ幅を広げる展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)

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