左サイドの熱いポジション争いが再び始まった。日本代表のMF中村敬斗(スタッド・ランス)が北中米W杯アジア最終予選・中国戦を翌日に控えた4日、報道陣の取材に対応。今回はMF三笘薫(ブライトン)がアジア杯以来の復帰を果たしており、「三笘選手が帰ってきて、チームがレベルアップしているのを感じている。僕もその中でしっかり存在感を出していきたい」と意気込みを語った。

 中村は昨年3月、第2次森保ジャパン初陣の活動でA代表初招集。当初は三笘のバックアッパーという立場で出場機会を掴んだが、三笘が負傷離脱していた活動でことごとく結果を出し、国際Aマッチ通算10試合8ゴールという大活躍で急速に存在感を高めてきた。

 その活躍ぶりはプレミアリーグで復活を遂げている三笘も「素晴らしい活躍で刺激になった」「もう一回地位を確立する意味でも、しっかりとしたプレーを見せないといけない」と語るほど。ドリブルやシュートのタイプが異なる2人のウインガーによるポジション争いは、日本代表の攻撃陣のレベルを大きく高めている。

 もっとも当の中村は三笘とのポジション争いについて「試合に出るか出ないかは監督が決めることで、僕らがどうこうではないので、出た時に自分の力を出せばいい」とそれほど意識はしていない様子。「それよりはチームとして試合に勝つことが大事だと思う」と冷静に語った。

 もっとも、最終予選を勝ち抜くためには自身の決定力が必要だという自覚も深めている。「なかなか拮抗した試合だとチャンスもないと思う。ワンチャンスを決めるとか、決めるところで決めるというのは上に行くチームには必ずあるもの」(中村)。最終予選はさらに序列を高めるチャンス。「初めてなのでどんな感じかはわからないのはあるけど、アジア杯でアジアの難しさは感じたので簡単ではないと思う」と気を引き締め、最初の一戦に臨む。

(取材・文 竹内達也)