所属先のソシエダで1勝1分2敗と苦しい序盤戦が続くMF久保建英だが、日本代表では異なる姿を見せてくれそうだ。北中米W杯アジア最終予選・中国戦を翌日に控えた5日、報道陣の取材に応じた久保は「僕個人としては苦しい立ち上がりだけど、みんながみんなそうじゃない。僕の苦しいことがチームに伝染しなければいいなと思います」と自虐気味に述べつつ、「日本への長距離移動なので着いたら自然と気持ちが切り替わる。もう慣れちゃったので、特にいちいち切り替えるという意識もしていない」と前向きな気持ちを口にした。

 久保は今月1日のヘタフェ戦に60分間プレーした後、チャーター便も使って2日夜に帰国。3日からトレーニングに合流した。「試合が終わって次の日の3時くらいに家を出て、すごく厳しいスケジュールだったのでチャーター移動はありがたかった」。過去2大会で敗れた最終予選初戦にも過度な意識はせず、「しっかりホームで勝ち点3を取ることが大事。緊張しすぎず、特に前目の選手が早い時間に点を取って変に緊張感をなくしていければ」と意気込んだ。

 対戦相手の中国の分析も万全な様子だ。久保は6月11日に行われたW杯2次予選・韓国戦(●0-1)をスカウティング。「負けはしたもののやりたいことははっきりしていて、あれを成功と捉えているのかなという気はした。内容的にも0-1で肉薄した試合展開だったので、あれであわよくばという展開を狙っているんじゃないかなというスタイルで、(日本にも)似たようなことをやってくるのかなと思った」と展望した。

 またラ・リーガでの対戦経験がある元エスパニョールのFWウー・レイについても「個人的な印象として南野選手にもちょっと似ていて、裏抜けでパスを呼び込む能力が高い選手。ビッグクラブ相手に決めていた印象があって、レアル相手にも決めた試合もあった。僕ら相手にも燃えているのかなと思う」と分析。「2次予選でも6試合で5点くらい取っていたと思うのでしっかり気を付けていきたい」とデータも交えて警戒を口にした。

 久保にとって、W杯の最終予選は悔しさも残る舞台だ。前回大会では初戦のオマーン戦(●0-1)に途中出場したが、結果を出せず、第2戦・中国戦(◯1-0)はフル出場で勝利に導いたが、その後は負傷のため2度の活動で招集外。W杯出場を決めたオーストラリア戦はベンチで試合を見つめ、直後のベトナム戦では先発起用も不完全燃焼に終わり、レギュラー定着のチャンスを掴み損ねていた。

 久保が自身に課す最終予選のテーマは「負けない」ことだ。「前回の最終予選では僕はチャンスを掴んだ後にケガをして、チャンスを逃す形になったけど、前回と比較したらいまはしっかりチャンスをもらえている立場だと思うので、この立場を崩さないように、僕が出た試合でしっかり結果を出す、チームとして勝つところを目指せれば。最終予選は結果が一番だと思うので、負けないように頑張ります」と意気込みを語った。

 チームのための働きによって、2度目のW杯につなげていく構えだ。「僕もその時は25になると思うので、前回のW杯は僕が思っていたものと違ったけど、今回は年齢的にも世界で見ても中堅のレベルになると思う。このまま今の立場を崩さず、しっかりと中心選手としてチームを引っ張っていきたい」と冷静に2年後を見据えた。

 もっとも、自らの価値を表現する姿勢を忘れるつもりはない。

「プロとして、来た人にはお金を払ってきてもらっただけの価値がある試合をしたい。。プラス、そうは言いつつも、いいスタートを切るために最低限の勝ち点3という結果を得たい」

 埼玉スタジアム2002での代表戦は22年3月のカタールW杯最終予選最終戦・ベトナム戦以来2年半ぶり。「勝って当たり前だとファン・サポーターの皆さんには思って欲しいし、驕りはないけど、ファン・サポーターには最終予選も勝って当たり前だという安心感を持ってほしい。明日はいい試合ができたらと思います」と来場するサポーターに好ゲームを誓った。

(取材・文 竹内達也)