この記事をまとめると

■ここ数年の夏は子どもを外で遊ばせるのが危険なほど暑い気候だ

■真夏に旧車に乗る際は時間や装備に気を配る必要がある

■暑さはクルマにダメージを与えるので9月ごろまで乗らないのもひとつの方法だ

旧車乗りにとってここ最近の夏は地獄そのもの

 天気予報をチェックするたびに「本日の最高気温は37度」と知り、「またかよ」と思いつつ、慣れつつある自分がいます。小さい頃は夏休みに家でゲーム遊びに興じていると「外で遊んできなさい!」と親から怒られたものです。それがいまや「こんな暑い日に外で遊んだら危ないよ!」という始末。

 子どもたちは涼しい部屋で過ごせばいいのですが、猛暑日でも旧車に乗りたい! あるいは乗らざるを得ない事情を抱えた人もいます。旧車乗りの皆さんはどのように対処しているのでしょうか。そこには涙ぐましい努力と工夫があったのです。

■早朝か夜間に乗る

 さすがに日中に旧車に乗るのは辛すぎる! そこで、早朝や夜間に乗ることで暑さを回避できます。住んでいる場所にもよりますが、この時期の札幌市の日の出が午前4時半前後、東京が4時50分前後、名古屋と大阪が5時前後、広島が5時20分前後、福岡が5時30分前後、沖縄が6時前後です。できれば夜明けとともにドライブを終えたいところです。

 一方で夜間であれば熱帯夜の確率が高いものの、直射日光があたらないぶん、涼しく走ることができそうです。夜のドライブ後の晩酌という、最高のご褒美? が待っています。ただし、ご近所迷惑になるようなら、早朝か夜間に乗ることは自粛したほうがよさそうです。

■窓全開 & ハンディ扇風機も全開

 クーラーが装備されていない、あるいは効きが弱い場合、残された選択肢として窓を開けるしかありません。こんなとき、三角窓の有効性とありがたさを痛感します。しかし、35度を超える暑さではさすがに辛い。最近は充電式&クリップで留められる卓上扇風機がネットショップで販売されています。価格も2000円代〜と比較的お手頃です。

 ただ、ものすごく暑いとき、しかも渋滞時の車内で卓上扇風機を全開にしても温風があたるという……。後述する凍らせたペットボトルなどと併用してなんとか暑さを乗り切りたいものです。

乗るためなら些細な努力も惜しまない

■凍らせたペットボトルを用意する

 コスパと効果が期待できる対処法として、凍らせたペットボトルを用意してタオルなどで巻き、信号待ちなどで額や首筋に当てて冷やす方法があります。ペットボトル内の氷が溶けてくれば飲み水としても使えますし、小型のクーラーボックスのなかに保冷剤を入れ、凍らせたペットボトルのスペアを入れておけば長時間持ちこたえられます。

 また、効力は短時間ではありますが、発熱したときにお世話になる「冷えピタ」を額や首の後ろに貼ると効果倍増です(ただし、額に貼るのはなかなか勇気がいります)。

■アシ車に乗る

 予算的、そして駐車スペースが確保できるなら、この時期は「アシ車」を有効利用して猛暑の時期を乗り切りたいところです。極論をいえば「エアコンがバッチリ効いて、買いものにも使える便利クルマ」であれば、友人・知人からタダ同然で譲り受けたクルマだっていいのです。

 これまでアシ車を所有したことがない場合、猛暑でも台風の最中でも気兼ねなく使えて、エアコンがガンガンに効いて、多少傷がついても気にせずにいられる……。健気なほどにオーナーに従順かつ手がかからない存在に感激するかもしれません。ただし、アシ車だからと粗雑に扱わず、ときにはきちんと洗車をするなど、モノとして大切に接することは忘れずに。

■まとめ:「過去126年間でいちばん暑い夏」には乗らないに限る!?

 お父さん世代には懐かしいプリンセス・プリンセス、略してプリプリの「世界でいちばん熱い夏」のオリジナル版が発売されたのは1987年7月16日、平成版は1989年7月1日発売でした。まさにこの時期にぴったりの曲。当時を知る人であれば、思わずこの曲のイントロが脳内再生しているはず。

 プリプリのこの名曲がヒットしてから30年以上経った2024年7月の日本、気象庁の発表によると「過去126年間でいちばん暑い夏」になったそうです。平年の気温と比較すると、東京の都心で3度、名古屋市で2.5度、那覇市で1.4度高い気温となりました。どおりで、全国各地で猛暑日が記録されたわけです。

 ちなみに、平成版「世界でいちばん熱い夏」が発売されたおよそ2カ月前にデビューしたのが、日産スカイラインGT-R(BNR32型)です。この型のスカイラインGT-Rであれば、旧車というよりネオクラシックカーとしたほうがまだしっくりくるように思われますが、いずれにしても「古いクルマ」であることは確かです。

 経年劣化が進み、なおかつデビュー当時では考えられなかった連日35度以上の猛暑日。クルマに対してかなりの負荷がかかっていることは間違いありません。暑さが収まっていくであろう9月のお彼岸頃まではメンテナンスなどの時間に充て、少し休ませてあげるのが懸命な判断なのかもしれません。