EUへ輸入される中国製のバッテリー式電気自動車(BEV)には10%の輸入関税がかけられていますが、新たに、最大で38.1%の関税が上乗せされる可能性が示唆されました。

Electric vehicle value chains in China

https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_24_3231



EU 中国製EVに38.1%の関税 上乗せする方針を発表 | NHK | EU

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240612/k10014479281000.html

EUの行政執行機関である欧州委員会は、2023年10月14日から中国製のBEVのバリューチェーンが不当な補助金の恩恵を受けている可能性について正式な調査を実施。その結果、EUのBEVメーカーに経済的損害の脅威を与えていると暫定的に結論づけました。

この結論を受けて、欧州委員会は中国当局を連絡を取り、問題解決の方法を探っていますが、協議によって解決に至らなかった場合に備えて、BEVの輸入に対して課す暫定的な相殺関税の水準が最大38.1%であることを発表しました。

対象となる「中国製BEV」は中国のメーカーのものに限らず、欧米などのメーカーが中国で製造しているものも含みます。

具体的には、BYDに17.4%、Geelyに20%、SAICに38.1%の関税が上乗せされるほか、サンプリングを断った企業には平均で21%、調査自体に協力しなかった企業には38.1%の関税が課されるとのこと。

この関税は、既存のBEVへの輸入関税10%とは別に課されるものであることが示されています。

Imports of subsidised electric cars from China

https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/qanda_24_3232

なお、アメリカでは、トランプ政権によって中国製EVに対して25%の関税がかけられていましたが、バイデン大統領はその4倍である100%への引き上げを発表しています。

バイデン大統領 中国EV関税引き上げ発表 トランプ氏“不十分” | NHK | 自動車

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240515/k10014449451000.html

中国製BEVを巡っては、2023年第4四半期にBYDがテスラの販売台数を上回るなどの伸びが目立っています。

EV販売台数でテスラを上回った中国のEVメーカー「BYD」は従来の自動車メーカーにとって大きな脅威になっている - GIGAZINE



さらに、BYDは2100kmの航続距離と100kmあたり2.9リットルという低燃費を実現した「秦(Qin) L DM-i」と「海豹(Seal) 06 DM-i」を発表し、市場での存在感を高めています。

比亚迪汽车官方网站 比亚迪汽车 ─ 新能源汽车领导者

https://www.bydauto.com.cn/pc/configCar?id=120&networkType=dynasty



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