2030年代には耐用期間を終える太陽光パネル。政府は使用済みパネルのリサイクル義務化を検討へ。
6月12日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、使用済み太陽光パネルのリサイクルを義務化することについて意見を交わした。
政府は使用済みの太陽光パネルのリサイクルを義務化する検討に入った。2030年代には耐用年数を迎えるパネルが大量発生する。埋め立て処分を減らして環境への負荷を抑える狙いがあり、25年の通常国会にも関連法案を提出する。
太陽光発電の導入はFITと呼ばれる固定価格買い取り制度が始まった2012年以降に急拡大した。耐用年数は20~30年といわれる。30年代半ば以降には大量廃棄のピークが訪れるという。環境省は処理が必要になる太陽光パネルは、年間50万から80万トンになると予想していて、リサイクル義務がある冷蔵庫の2倍以上となる可能性がある。太陽光パネルは全体の重量のうち6割ほどをガラスが占めていて、シリコン、アルミニウム、プラスチックなども使われているが、現状はリサイクルの義務がない。所有者が廃棄物処理法に沿って、専門業者に処理を委託、アルミなど一部の具材を除き、大半はリサイクルされないまま埋め立て処分されている。既存のリサイクルに関する法律は自動車、家電、小型家電を対象としていて、太陽光パネルについても同様の仕組みを想定する。
寺島尚正アナ「太陽光パネルのリサイクル義務化、森永さんこれはどうお考えですか?」
森永康平「そうですね、やらないよりやった方がいいんですけども、ただそれだけで十分か?っていう話があって。まずは太陽光パネルが一気に広まったひとつは、いわゆる固定価格の買い取り制度……FITっていわれますけども、これをそろそろ見直した方がいいんじゃないの?と。実際我々の電気代に上乗せされるわけですから。この制度をどうするのかっていうのがまずひとつと、実はパネルを敷く際にですね、すべてがそうではないんですけど、一部、大きな面積が必要とする場合は、結構森林を伐採したり、斜面を拓いたりしていくということで、結果的にそれが土砂災害を招いたりすることもあるわけですよね。だからそこに再び太陽光パネルを敷き続けるならまだしも、撤去しましたってなった時に、そこの空き地はどうするんですか、と。これをちゃんと計画させないと、結局山肌が切り崩された状態で放置されてしまう可能性もありますから、単純にパネルの再利用だけじゃなくて、FIT・買い取り制度プラスそもそも伐採してしまった森林とか、そういうところの跡地をどうするのかも合わせて考えていかないと、一部だけの表面的な話になっちゃうんじゃないかと思いますね」
寺島「そうですね、いや~だって木を伐採地しちゃってね、ツルツルになっちゃって、そういうところっていうのは土砂崩れの例も過去にはありますからね、そこまで責任を持ちなさいよ、と」
森永「そうですね、しかもやっぱりそれだけ太陽光発電の拡大が進んでしまったのも、やっぱりFIT制度があるので、ある意味投資という観点で見るとある程度利回りが確定した投資になって、発電としてどうっていうよりも投資商品として普及してしまった部分もあるわけです。それがいよいよ我々の消費がただでさえ弱っている中で、毎月の支払いに新たな負担として乗って来てるわけですから、そろそろこの制度も含めてね、全面的な見直しをしてもいいんじゃないかと思います」