《伝説的半グレ》が「逮捕直前」に語っていた「壮絶なイジメに苦しんでいた小学校時代」「このままでは殺されてしまう」

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逮捕直前のインタビュー

愛知県警は5月22日、傷害の疑いで自営業・小田切大作容疑者(46歳)を逮捕したと発表。元日に熱田神宮(名古屋市)を訪れた際、20代の若者二人に殴る蹴るの暴行を加えたとされる。

小田切容疑者は名古屋の伝説的半グレグループ「ルシファーズ」の元リーダーとして知られる人物だ。関係者によると、逮捕された元日の件について「一方的に因縁をつけられた」と語っていたという。

更生したはずの伝説的半グレに、一体何があったのか。本誌は逮捕直前に同容疑者にインタビュー。その半生を聞いていた。

待ち合わせ場所に現れた小田切容疑者は、筋肉質な体格に首元までタトゥーが入っていた。そんな強面な見た目とは対照的に、記者が挨拶するとサングラスを取り、「よろしくお願いします」と頭を下げ、質問に答え始めた。(以下「」は小田切容疑者)

「結成当初の『ルシファーズ』は30人ほどのグループでした。各地区の頭が集まっていて、下の子たちを合わせると100〜200人ぐらいにはなっていたと思います。1年後には1000人ほどの規模に膨れて、最盛期では1万人ほどのメンバーを抱えていました」

こうして明かされていったのは貧しさとイジメに苦しんだ幼少期、そして「ルシファーズ」が生まれたきっかけだった。

壮絶なイジメに耐える日々

「出身は名古屋の中村区です。生まれた時は予定より1ヵ月ほど早かったみたいで、いわゆる未熟児でした。兄弟は4人で、上に兄と姉、下に弟がいて僕は3番目。大作という名前は創価学会員だったばあちゃんがつけてくれたものです。

親父は型枠大工をやっていて、小さい頃は風呂なしのボロボロのアパートに家族6人暮らし。今でこそ中村地区は名古屋駅があったり栄えてますが、昔は労働者とヤクザの事務所ばかりで治安も悪かった。駅裏エリアでは平気で道路上で焚火をしていたり、無法地帯でした」

そんな幼少期を過ごした小田切少年は地元の小学校へと進学。そこで味わったのが壮絶なイジメだった。

「小学校は1年生から卒業するまでずっとイジメられっ子でした。最初、弟がやられていて、それを僕がかばったんです。そこから標的が僕に移った。毎日便器の中に顔を突っ込まされたり、ことあるごとにケンカと称したリンチもありました。

タイマンと言いながら向こうは集団で見ているので、手は出さずに我慢してました。親父に言っても性格上『やり返してこい』と言われそうなので黙ってました。誰にも相談はできなかったです」

しかし卒業式を直前に控えたある時、その立場は逆転したという。

トラウマからケンカ漬けに

「卒業式の1週間ほど前に20人ぐらい囲まれてボコボコにされる場面があったんです。あまりに一方的で、このままだと殺されてしまうと感じて『うぁー!!』と叫びながら抵抗した。気がついたらそのうちの何人かを必死に殴りつけていました」

この出来事をきっかけに状況が一変。中学校に上がると喧嘩にまみれた生活を送るようになる。その背景にあったのが小学校時代の壮絶なイジメ経験だった。

「とにかくイジメられたくなかった。腕っぷしで一番になれば誰からもイジメられないだろうと思ったので、身を守る為にケンカ漬けになってました。でもトップになればそれだけ挑んでくる奴らもいて、終わりがなかった。中学ではほとんど負けなしだったと思います。それでも親父の存在は怖くて、知り合いの家で暮らしてました。ずっと家出状態です」

中学を卒業するとグループはさらに拡大の一途を辿っていく。発端となったのは橋を一本隔てた隣町との抗争だった。

「ある時、僕らの下の子が隣町のやつらとケンカになったんです。こちらもやり返したら、向こうが『戦争や』と言い出して。当日は双方で300人以上が集まったと思います。こちらも誰が仲間か分からず、識別するために皆、頭にタオルを巻くようにしていました。

ちょうど川を挟んだ橋向こうに隣町のやつらがいて、道路上で乱闘。道具もなんでもありだったので耳が取れていたり、指がちぎれたりしてるやつもいました。停めてあった車やバイクはどれもボコボコに潰されていました。それが18歳の時です」

この血で血を洗う抗争劇が、「ルシファーズ」結成の発端となる。

チーム名の由来

乱闘後に仲間も『せっかく集まったんだからグループでやっていこう』という話になったんです。当初は僕の名前がついたチームを予定していたんですが、友人の一人が『ルシファーズってどう?』って。意味を尋ねると天使と悪魔。『それ、いいじゃん』となって命名しました。

結成当初は30人ほどで、各地域の頭だけを集めた状態でした。それぞれがまとめているメンバーを合わせると200人ほどのチームだったと思います。僕がリーダーという形でしたが、仲間にも『嫌だったらやめていいから』とは伝えてました」

しかし、小田切容疑者の心配をよそにその後、グループは1年あまりで1000人規模へと膨れあがっていく。

「基本的には他のチームを取り込むような形で大きくなっていきました。トップ同士で話し合いをして『チーム名は残すから仲間にならないか』と勧誘していました。それでも傘下に入らないチームに対しては100人ほどでなだれ込み、ボコボコにして仲間になるように迫ったこともあります」

既存の別グループを吸収し、急成長を遂げていったルシファーズ。しかし、チームが巨大化すればするほど小田切逮捕の足音は日に日に大きくなっていった。

つづく後編記事『「最盛期のメンバーは1万人」「中国人は青龍刀を持ち出してくるので」…《伝説的半グレグループ》「ルシファーズ」元リーダーが明かした「国やヤクザとの戦い」』では、国策とも言われたチーム壊滅の真相、そして逮捕直前に小田切容疑者が語っていた現状についてお伝えする。

「最盛期のメンバーは1万人」「中国人は青龍刀を持ち出してくるので」…《伝説的半グレグループ》「ルシファーズ」元リーダーが明かした「国やヤクザとの戦い」