喫茶店文化が盛んなことで有名な愛知県名古屋市。市内各地にある喫茶店では、それぞれにオリジナリティ溢れるグルメを楽しむことができる。

一方、中には意外な食材が組み合わせられていたり、一人前とは思えない大ボリュームで提供されたり、といった変わり種があるのも、名古屋の喫茶店グルメの特徴だ。

そしてまた1つ、2024年のゴールデンウィークに新登場するこんなメニューが、X上で注目を集めている。

こちらは、名古屋市内の喫茶店「喫茶はじまり」の公式Xアカウントが2024年4月23日に投稿した新メニューの写真だ。

焼いたトーストの上にあんこを乗せるという名古屋グルメの定番「小倉トースト」なのだが......あの、ちょっと乗せるあんこの量、間違えていませんか?

まるで三角コーンかピラミッドのごとく盛られた大量のあんこのせいで、むしろトーストが脇役になってしまっている。

もはや「トースト付きあんこ」とでも言うべきモノと化した小倉トーストに、X上ではこんな声が寄せられている。

「親の顔より見た組み合わせなのに、なんでこんなに斬新なんだ」
「名古屋に半世紀近く住んでますがこれは見たことねぇっス」
「一瞬巨大な たけのこの里 に見えました」
「蘭ねーちゃんかと思った」
「トーストとあんこのバランスは、これが正解なんですね(笑)」

どうしてここまで全力であんこを盛ったのか。Jタウンネット記者は26日、新メニューについて喫茶はじまりに詳しい話を聞いた。

あんこの中にはアイスまで

取材に応じた同店オーナーの高野仁美さんによると、話題の新メニューの名前は「小倉トーストどえりゃあ盛」(税込1800円)。4月27日〜5月6日の期間限定で販売予定の特別メニューだ。

一皿に使われているあんこの量は、なんと約300グラム。

えっ、もっと大量に見えるって? それもそのはず、うずたかく盛られたこしあんの中には、白玉・フルーツ・バニラアイスが入っているのだ! ボリューミーにも程がある......。

その圧倒的な量に目がいってしまうが、材料にもこだわりがある、と高野さん。地元のメーカーが作った「赤練り」というこしあんを使用しているのだ。これは、甘さ控えめで雑味がなく驚くほどなめらかなんだとか。

「生まれてこのかた粒あん派だった私がこしあん派に寝返るほどのおいしさで、あんこが苦手という方でも、このこしあんなら食べられるという声もよく聞きます」(高野さん)

そのため、あんこを300グラムも使った「どえりゃあ盛」でもクドさを感じずに食べ切れる人は多いだろう、とのこと。

同店公式Xアカウントでも「私は1人で1つ余裕で食べられました」と呟いている。

「生半可な盛り方では申し訳ない」

そんなにも大盛りな小倉トーストを開発したのは、ゴールデンウィークに帰省や観光で名古屋を訪れる人のため。

名古屋めしの一つとして小倉トーストも楽しんでほしかったから、と高野さんは語る。

「(お店のある)大曽根地域には観光地があまりないので、わざわざ小倉トーストのためだけに大曽根に来てもらおうと思うと、生半可な盛り方では申し訳ないと思い、盛れるだけ盛りました」(高野さん)

高野さんの言う通り、これだけの量のあんこを盛られた小倉トーストを見せられたら、これを食べることを目的に足を運ぶ人もきっと出てくるに違いない。

思う存分あんこに塗れたいという読者の皆さんは、一度挑戦してみては? もちろん、複数人で取り分けるのもOK。血糖値の急上昇を抑えるためのサラダもセットになっているので、安心してチャレンジできそうだ。

ただ......くれぐれも無理はしないように。残さず食べきることが出来る分量を、注文しよう。