浦和のエカニット・パンヤ【写真:轡田哲朗】

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浦和MFエカニット、タイ代表のアジア杯メンバー辞退し浦和キャンプに参加

 浦和レッズのMFエカニット・パンヤは、現在開催中のアジアカップでタイ代表に選出されたものの、辞退して浦和の沖縄県でのトレーニングキャンプに参加している。

 新シーズンに向け「『やれるか、やれないか』と聞かれたら、『やる』という気持ち」と話した。

 エカニットは浦和と提携しているタイ1部ムアントン・ユナイテッドで中心選手として活躍。浦和の強化部門もチェックをしていたなかで、昨シーズン前半に浦和の練習に参加。夏に半年間の期限付き移籍の契約で浦和にやってきて、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の試合では浦和での初ゴールもマーク。今季に向け、期限付き移籍期間が1年延長された。

 そのエカニットは、現在開催中のアジアカップで石井正忠監督が率いるタイ代表に選出された。昨年のワールドカップ(W杯)アジア2次予選の試合にも出場しているだけに自然なメンバー入りだったが、代表入りを辞退して浦和のプレシーズンに参加している。タイ代表はアジアカップでグループリーグを突破し、30日の決勝トーナメント1回戦でウズベキスタン代表に惜敗していた。

 それについてエカニットは「(タイ代表の)4試合、どの試合もチェックしていた。今回の決断は、僕にとって大きな、大きな決断だと思う。そのことに関して後悔など考える暇はないので、キャンプに参加したからには自分のいいところを出さないといけない。これが正しいと思えるように、いいシーズンにしていかないといけない」と話す。

 昨季の半年間だがJ1リーグでプレーしたこと、自身のレベルアップについて「半年だったけれども、色々と見ることも体験することもできた。レベル的にはタイよりもJリーグのほうが高いと思うので、自分もそのレベルに自分を持っていかないといけない。『やれるか、やれないか』と聞かれたら、『やる』という気持ちが強い。ここに来たからにはやっていくしかないし、いいところを出して、自分の色を出して監督に使ってもらえるようにしたい。チームは今季、高い目標もある。一緒に達成できるようにしたい」と、強い思いを口にした。

 今季のペア・マティアス・ヘグモ新監督が就任した浦和では、エカニットは4-3-3システムのインサイドハーフを争うことになるとみられる。昨季に日本代表デビューしたMF伊藤敦樹や昨季に出場回数の多かったMF小泉佳穂、MF安居海渡といった選手たちや、昨夏加入で今季の本領発揮が期待されるMF中島翔哉らも同じポジションに入りそうだ。最激戦区とも言えるポジションでの勝負になるが、言葉の端々から日本で成功するための野心とハングリー精神を感じさせるエカニットは自身の決断の重みを胸に戦っている。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)