トランプ氏も泊まったホテルの「社食」で100人以上が「食中毒」、運営委託先は「補償」検討
米大統領時代のトランプ氏が宿泊したことでも知られる「パレスホテル」(東京都千代田区)の社員食堂で、ノロウイルスによる食中毒が発生した。体調不良者は100人を超え、東京都は委託先が運営する店舗を「3日間の営業停止」とする処分を下した。
全国で社食など約1500事業所のフードサービスを手がける「エームサービス」(東京都港区)は1月29日、弁護士ドットコムの取材に「再発防止に取り組む」とコメント。治療費や休業損害などについては、ホテル側と話し合っているという。
都内では、1月上旬にも上野公園のフードイベント「牡蠣フェス」でノロウイルスによる食中毒が発生していた。
●営業停止措置の解除後も「社食再開は未定」
都によると、1月19日〜20日にかけて社食を利用したパレスホテル従業員ら計101人が下痢やおう吐などの体調不良を訴えたという。
従業員の便からノロウイルスが検出されたことなどから、千代田保健所は「社食が調理・提供した食事を原因とするノロウイルスによる食中毒」と断定し、営業停止処分の措置をとった。
パレスホテルは、社食はホテルレストランの厨房とは異なっており、自主的に営業停止していると説明した。体調不良の従業員について、ノロウイルスの検査結果が陰性になるまで自宅待機にしているという。
●治療費や休業損害などの補償対応へ
社食を運営する「エームサービス」は公式サイトで発症者に謝罪。営業停止処分が明ける1月29日になっても、社食はホテル側と協議のうえで休業しているという。再開は未定だ。発症経路は調査中で、メニューや調理上に不備があったかどうかは、わかっていない。
エームサービスは、治療費やクライアントであるホテル側への休業損害などの支払いなどについても検討しているとする。
「発症された皆様にはご迷惑をおかけしました。お見舞い申し上げます。そちらの補償と、ホテル様への補償に関しましても、誠意を持って対応させていただくとということで、お話を進めております」(同社)