「“節約しなくちゃ!”の前に部屋を片づけよう」その理由とは?(『マンガでわかる お金に人生を振り回されたくないから超ビギナーが今すぐやること教えてください』© 黒田尚子(著)、月野まる(イラスト)/主婦の友社)

「毎日ちゃんと働いているのに、全然お金が貯まらない」「節約してるつもりなのに、効果がない」という人いませんか? 『お金に人生を振り回されたくないから超ビギナーが今すぐやること教えてください』を上梓したFPの黒田尚子さんに、お金を貯めたいと思ったときにまずやることは何か聞きました。黒田さんは、「“節約しなくちゃ!”の前に部屋を片づけよう」と言います。それはなぜでしょうか? 本稿では同書より一部抜粋し再構成のうえお届けします。

片づけと貯蓄、原則は同じ…どういうこと?


© 黒田尚子(著)、月野まる(イラスト)/主婦の友社


© 黒田尚子(著)、月野まる(イラスト)/主婦の友社

次に適正量を決めましょう


© 黒田尚子(著)、月野まる(イラスト)/主婦の友社


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片づけと貯蓄、原則は同じ!


© 黒田尚子(著)、月野まる(イラスト)/主婦の友社

以前、収納アドバイザーの方に、「部屋が片づけられない人ほどお金が貯まらない。でも、部屋がきれいになるにつれ、お金が貯まるようになる」と聞きました。

片づけとは、自分の持ち物を把握し(現状を知る)、不要なものを手放し(適正量を決める)、きちんと収納できる状態を維持・管理すること。新しいものを買ったら古いものを捨てるなど、モノの動きを把握する必要があります。

貯蓄も同じです。自分の収入と支出を把握し(現状を知る)、不要な出費を削りながら目的に応じた貯蓄をし(適正額を決める)、毎月きちんと貯蓄できるように家計を維持・管理しなくてはいけません。

実際、モノとお金はダイレクトに結びついています。部屋がモノであふれているのは、多くのものを買っているからでしょう。お金を使うことは楽しいし、「どうせ使うんだから」と買ってしまう気持ちもわかります。

でも、結局あまり使わなかったり、賞味期限が切れてしまったり、ムダな出費であることが少なくないのです。しかも整理整頓ができていないと必要なものがいつまでたっても見つからず、結局「めんどうはお金で解決する!」とばかりに新しいものを買ってしまいます。これもムダ使いです。

片づけをしていると、モノを通じて自分のお金の使い方が浮き彫りになるものです。その気づきこそ、習慣を見直すきっかけになるはずです。

お金が貯まらない人あるある6選


© 黒田尚子(著)、月野まる(イラスト)/主婦の友社


© 黒田尚子(著)、月野まる(イラスト)/主婦の友社

意識を高めるだけで、お金はちゃんと貯まります

最後に、お金にまつわる「あるある」の法則を紹介します。

イギリスの歴史家であり政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンは20世紀半ばに『パーキンソンの法則』という本を刊行しました。その中で2つの法則をあげています。


一つは時間について。

仕事の場合、どんなに締め切りに余裕があっても、その仕事は期限いっぱいまでかかってしまうという法則です。時間があればあるほど、仕事は進まないものなのです。

もう一つはお金について。

収入が増えて「これで家計に余裕ができる」と思っても、増えた分だけ支出も増えてしまうという法則です。収入が増えれば税金や社会保険料も増えますし、住居のグレードを上げるかもしれない。外食するお店や洋服のブランドも変わるでしょう。結果、増えた収入の分だけ支出が増えてしまう。これも「あるある」です。

ですから、「収入が少ないから貯蓄できない」というのは詭弁でしかありません。貯蓄できない人は、収入が増えてもできません。逆に収入が少なくてもそれに応じた予算管理をしていけば、確実にお金は貯まります。

そしてある程度貯まったら投資に回していけば、時間とともに財産が増えていきます。どれだけお金の出入りに自覚的でいられるかが勝負だということです。

(黒田 尚子 : ファイナンシャルプランナー)