(撮影:南 正時)

コロナ禍の収束を受けて、人々の移動が復活し、新幹線の輸送量も回復の一途をたどっている。平日はビジネス需要、土日はレジャー・観光需要によって、すでにコロナ禍前比で9割の水準まで戻った。

『週刊東洋経済』12月9日号の特集は「無敵の新幹線」。ビジネスパーソンの移動にはなくてはならない新幹線の”強さ”やサービス、技術力、そして北陸や九州など地方新幹線の実情から、リニアの行方まで、新幹線の「今」をリポートする。なお、当記事にある12枚の画像は、雑誌に保存版として鮮明な写真で掲載されている。


1964年10月1日に東海道新幹線が東京―新大阪間で営業運転を開始してからもうすぐ60年。その間、新幹線の輸送量は、1964年度の1101万人からピーク時である2018年度の4億3587万人まで、飛躍的に拡大した。東海道から山陽、東北・上越、北陸、九州、北海道がネットワークでつながり、今日では新函館北斗駅から鹿児島中央駅まで1本でつながる。

ここでは1964年のデビューから、2024年3月16日開業の北陸新幹線(金沢―敦賀間)まで、特に印象的だった新幹線関連の12枚の写真を取り上げた。ひとつひとつ、性能も違えばデザインも違う、新幹線の「顔」を見届けてほしい。

当初は「新幹線電車」と呼ばれていた

[1、東海道新幹線の試運転] 開業前の1964年6月に米原(滋賀県)付近を走る姿。当時は単に「新幹線電車」と呼ばれていた(トップのモノクロ写真)

[2、ズラリ顔を並べた0系] 当初は1車種だったため「0系」と呼ぶようになったのは東北新幹線開業時だった(下写真、以下同)


(撮影:南 正時)

[3、2階建て食堂車デビュー] 1985年登場の100系は初の2階建て車両を連結。食堂車とグリーン車があった


(撮影:南 正時)

[4、300系「のぞみ」が登場] 最高時速220kmから270kmへ。1992年春、新しい列車「のぞみ」が新時代を切り開いた


(撮影:南 正時)

[5、「新幹線生みの親」] のぞみに試乗する島秀雄・元国鉄技師長(左)。隣は須田𥶡・JR東海社長(当時)


(撮影:南 正時)

山形や秋田ではミニ新幹線が採用

[6、「ミニ新幹線」の採用] 1992年に山形新幹線で初採用。在来線のレール幅を新幹線と同じにし乗り入れた


(撮影:南 正時)

[7、 初の全車2階建て新幹線] 1994年、全車2階建てのE1系「MAX」が登場。広がり始めた新幹線通勤需要に応えた


(撮影:南 正時)

[8、当時世界最速の500系] 1997年デビューの「500系」は山陽新幹線で当時では世界最速となる最高時速300kmで走行した


(撮影:南 正時)

[9、日本一の時速320km] 2011年、東北新幹線に「はやぶさ」「E5系」が現る。北海道新幹線は同型の「H5系」を導入


(撮影:南 正時)

[10、共同開発の北陸新幹線] JR東日本とJR西日本の共同開発で2014年登場。それぞれ「E7系」と「W7系」を名乗る


(撮影:南 正時)

そして2020年、最新の「N700S」へ

[11、東海道・山陽の最新型] 富士山を背景に走る、2020年登場の13年ぶりフルモデルチェンジ車「N700S」


(撮影:南 正時)

[12、敦賀延伸に向け試運転] 2024年3月に延伸開業する予定の北陸新幹線。敦賀(福井県)付近を試験走行する


(撮影:南 正時)


(南 正時 : 鉄道写真家)