「全日本さば連合会」広報担当サバジェンヌこと池田陽子さんによる「サバジェンヌが行く〜至福の鯖百選〜」第84回。今年もこの季節がやってきました! サバ好きならご存知、ノルウェー発の「サバヌーヴォー」。2023年は下北沢のサバ専門店で刺身や串焼きで食べられるのです!

ノルウェーサバが3度目の来日!

サバファン、喜びたまえ! 今年もやってまいりました!! サバ界のスーパースター「サバヌーヴォー」がノルウェーから来日ですよ!

ノルウェーから、獲れたてピチピチ冷凍なしの厳選された生サバが、JALの翼ではるか地球の真裏の日本まで、今年も空を飛んでやってきた!

サバヌーヴォーは、ノルウェーでの水揚げから日本の販売店まで、一度も冷凍することなく空輸された、旬の「新物ノルウェーサバ」。なおかつ、脂肪率約30%、重量500g以上、厳選された最高品質のサバだ。ノルウェー大使館水産部、JAL、JALUXの連携により実現し、2021年より販売がスタート、2023年で3年目を迎えた。

「サバヌーヴォー」。20年以上サバの買い付けを行ってきたJALUXの担当者が、現地で厳選している

通常の冷凍品は、ノルウェーから船で運ばれ、店頭に並ぶまでにはおおよそ3か月を要する。ところがサバヌーヴォーの場合、水揚げから最速72時間で日本入り! つまり極めてフレッシュな状態のままで味わえるということ!

今年は9月22日にJL042便で羽田に初上陸。

サバヌーヴォーは、ノルウェー西部の港から、トラックで首都オスロを経由してイギリス・ヒースロー空港で搭乗!

ヨハン・クアルハイム ノルウェー大使館水産部 水産参事官は「サバヌーヴォーの3年目の到着をうれしく思います」と語る。「冷たく澄んだ海が脂の乗った大型のサバヌーヴォーを育みます。召し上がるときには目を閉じて、ノルウェーの海を感じながら味わっていただきたいですね」。

羽田空港でサバヌーヴォーお披露目イベントが開催された。左から、司会のJAL客室乗務員、大森康史 日本航空執行役員 マイレージ・ライフスタイル事業本部長、高濱悟 JALUX社長、クリスティン・イグルム 次期駐日ノルウェー大使、ヨハン・クアルハイム 大使館水産部 水産参事官、塩川公康 エムアイフードスタイル 商品統括本部商品部生鮮グループ長

炭火焼きを1日2000食、無料で配布!

そして、到着に合わせてサバヌーヴォーのおいしさを満喫できるイベント「ノルウェーシーフードフェス2023」が、東京ソラマチで開催された。

9月22〜24日まで開催された「ノルウェーシーフードフェス2023」

目玉は、「サバヌーヴォー」炭火焼き。しかも1日2000食無料配布という大盤振る舞い!

「『目黒のさんま祭り』のイメージで企画されました(笑)」と語るのはJALUX水産部の安井大樹さん。焼き手は、JALUX社員のみなさん。何度も「焼きの練習」を重ね、イベントに臨んだのだそう。

イベント当日、ソラマチを訪れると東京スカイツリーがサバの煙とアロマに包まれるという、わが目を疑う衝撃光景。

3日間で約6000食ものサバヌーヴォーの炭火焼きを配布!
配布時間には、あっという間にサバファンの大行列が!

JALUX社員のみなさんが、心を込めて焼き上げたサバヌーヴォー。

串に刺さったビッグサイズのサバヌーヴォーが。次々と焼き上げられる垂涎モノの光景

ふえー!!!!!!!

先のヨハンさんの発言どおり、はい、目を閉じてノルウェーの大海原をイメージしつついただきますよ。今年も「腰が抜ける」おいしさ。

その食感は奇跡の「ふわふわ食感」。そして「キング・オブ・ジューシー」! それはA5ランクの霜降りステーキと匹敵する! 特筆すべきは、バツグンすぎる脂のりながら、まったく脂に重さがない。水にも溶けそうなくらい、軽やかでピュアなオイル。

ビールとの相性が最高! 泣けるほど旨し。うー、ノルウェーの寒さはウマさだ!!

ジェンヌのみならず、会場内で悶絶する方々が続出!!!! 「何回行列に、並んでんねん」という、サバヌーヴォーの虜になったツワモノも(笑)。そりゃあそうだ、これが無料なんてあなた、奇跡ですって。

「お客様からは『いままで体験したことのないフカフカな口当たり』『とんでもなくジューシー』と多くの絶賛の声をいただきました」と安井さんが笑顔を見せる。

イタリアンやラーメンのアレンジメニューも美味!

会場内には、ノルウェーサバ、そしてサバヌーヴォーを使ったグルメも大集合。

自由が丘のイタリアン『タンテリーザ 笑多(しょうた)』は、 「サバヌーヴォーのミートソース」を提供。サバヌーヴォーをこっくり4時間煮て仕上げた逸品は、華やかなコクと旨みでワイン止まらず!

『タンテリーザ 笑多』の「サバヌーヴォーのミートソース」。肉よりおいしいってほんとに

そして蒲田にある鮮魚貝とキノコがウリのラーメン店『麺場 VOYAGE』では「サバヌーヴォーの潮そば」がサバファンのハートを鷲掴み。サバヌーヴォーの身や骨からとったダシがサバらしい!! 

『麺場 VOYAGE』の「サバヌーヴォーの潮そば」。お椀の中を、サバヌーヴォーが回遊するようだー

サバヌーヴォーはさまざまな料理にアレンジしても、その卓越したおいしさを最高のパフォーマンスで発揮する。「もう一度食べたい」と、強烈な印象を残すのよー(涙)。

って……ノルウェーシーフードフェスに行き損ねた……。炭火焼き食べたかった……と涙するサバファンのみなさん。朗報ですよ!

なんと、サバヌーヴォーメニューでお店をジャックするという企画「サバヌーヴォージャックウイーク」が、2023年10月16日〜22日まで開催決定!

新進気鋭のサバ専門店で「とろける」サバヌーヴォーの刺身を!

ジャックされるのは、『下北沢SABA食堂 佐助』。先日、本誌『おとなの週末』10月号サバ特集にも登場した、新進気鋭のサバの実力店。

全9種類もの焼きサバ定食を、昼夜楽しめる上に、夜はカットして串に刺した「さば串」が楽しめるという「焼きサバ」の聖地ともいえるサバ専門店だ。サバヌーヴォーのバツグンの脂のりをいかしたメニューを味わうのにふさわしいステージ!

サバヌーヴォーにジャックされた『下北沢SABA食堂 佐助』の店内

オーナーの星 幸輔さんは、ノルウェーシーフードフェスの初日にサバ炭火焼きの助っ人として参加。JALUXのみなさんに「焼きの指導」を行ったという「サバヌーヴォー焼き名人」でもある。

星幸輔さん。「サバヌーヴォーの美味しさを、多くの方に知ってもらいたい」と意気込む

「サバヌーヴォーには本当に驚かされました」という星さん。「とにかく焼いても柔らかでふっくら。こんなサバがあるのかと思いましたね。」とその魅力を語る。

ウイーク中、楽しめるサバヌーヴォーグルメは、ざっとこんな感じ!

『下北沢SABA食堂 佐助』で提供されるサバヌーヴォーグルメの一部

サバヌーヴォー三昧ーーーー!! ノルウェーの旗がはためく珠玉のメニュー。なんて魅力的なんでしょう!

なかでも注目は「サバヌーヴォーのお刺身」。

刺身、ですよ!!! もう一度言います、「ノルウェー至高のサバの刺身」ですよ! 〆鯖じゃないですよ!

ノルウェーサバは、〆鯖ではおなじみですが、おそらく刺身で食べたことがある人はめちゃめちゃ少ないと思います。ジェンヌもしかり。

これも鮮度バツグンのサバヌーヴォーだからこそ成せる技! もう、見た感じが違うし、むちむち。浮き立つ脂でとろとろ。なんでしょうか、いったい?

「サバヌーヴォーのお刺身」(550円)。お皿に脂がにじみ出ている……

興奮気味のジェンヌさん、食べてみます。

とろける……。

サバを食べたときにこの言葉、わりと使いますが、とろけMAXといっていいほど「とろける」。ジェンヌ人生史上最強のとろけっぷり。

食感はちゃんとあるのに、舌で押すとまるでバターのようにとろけて、ジワーッと麗しい脂がほどけだす。甘みのある脂はまったくしつこくなく、極めて心地よい。

……こ、これは「サバ界のシャトーブリアン」ですよ(涙)

サバファンなら絶対体験すべき!!

焼きサバの聖地ならではのサバヌーヴォー串焼きも必食

もちろん、佐助ならではの「焼き」メニューも、サバヌーヴォーの醍醐味を余すことなく堪能できる。 「焼くとふくらみ方が違います」と星さん。「調理のときの感触が、全然ほかのサバと違うんですよね。柔らかいんです」。

焼くとガゼンふくらむサバヌーヴォー

いざ、「サバヌーヴォーの塩焼き」! 見よ、この燦然たる黄金の輝きを!

「サバヌーヴォーの塩焼き」(869円)。焼きサバを食べる幸せを満喫して

箸を入れると魅惑の「パリッ」音。続いて「フカフカ」。香ばしい皮、ふわっとした身のバランスが理性を失うほど、箸が止まらず(涙)。そして白めしカモン、日本酒とまらんー、現象が押し寄せる!

脂がしっとりした身がおわかりでしょうか……
「サバヌーヴォー塩焼き定食」(1430円)も用意

串焼きも、もちろんのごとく、ただただ「旨みとフカフカ」に「ご満悦」……。

「サバヌーヴォーの串焼き」(220円)、「サバヌーヴォーのねぎま串」(275円)

「サバヌーヴォー食べ比べ串」もあります。

「サバヌーヴォー食べ比べ串」(495円)。通常提供されているさば醤油干し、さばさば文化干し、さばみりん干し、そしてサバヌーヴォー串の盛り合わせ

そして、サバヌーヴォーの良質な脂の威力を見せつけるのが「サバヌーヴォーのサバカツ」。

「サバヌーヴォーのサバカツ定食」(1540円)もアリ

小麦粉、卵、パン粉をつけてカラリと揚げて、醤油ベースの秘伝のタレにくぐらせたサバカツをガブリ。

カリッとした衣の中から、ジューシーな身がホクホク。ホクホク感、ハンパない! くどさゼロ。あっさりいただけるなんて、奇跡!

油に脂でも、ぜんぜん重たくない! ミラクル。お漬物入りのタルタルソースにつけても美味

「サバヌーヴォー混ぜごはん」も、脂のおいしさが炸裂する一品。焼いたサバヌーヴォーの身、小松菜、大葉、みょうが、ゴマ、醤油、白ダシなどを混ぜ込んで仕上げたごはんの最大の調味料は「サバの脂」!

「サバヌーヴォー混ぜごはん」(559円)。つまみにもなるご飯

脂がしみた、つややかなごはんはもはや「チャーハン級」。ジェンヌさん、ふだんの佐助のサバ混ぜご飯も大好きですが、サバヌーヴォーになると別格です……。脂にときめくしかない……。

そのほか、燻製にしたサバヌーヴォーとジャガイモを使った、燻し感あふれる「サバヌーヴォーのポテサラ」もおつまみとして最強。

「サバヌーヴォーのポテサラ」(462円)。お酒に最強の味わい

ぜひ、めくるめく、この時期ならではのサバヌーヴォー尽くしを体験していただきたい。

■サバヌーヴォー
https://www.instagram.com/sabanouveau/
※コストコ、クイーンズ伊勢丹・東武ストアの一部店舗にて販売中。詳しくはSNSを

■『下北SABA食堂 佐助』
[住所]東京都世田谷区北沢2-27-10 クルス下北沢 1階
[電話番号]050-5600-1929
[営業時間]11時半〜14時半、17時〜23時
[休み]無休
[交通]京王線ほか下北沢駅西口から徒歩3分
※サバヌーヴォージャックウィークは、2023年10月22日(日)まで実施。サバヌーヴォー料理は全メニューランチ、ディナーともに提供。インスタフォロー&投稿で「ですかいシリーズ」ミニカップ麺プレゼントも実施中

■池田陽子
全日本さば連合会広報担当 サバジェンヌ/薬膳アテンダント

サバを愛する消費者の集まりである「全日本さば連合会」(全さば連)の広報を担当。日本各地のサバ情報の発信、サバ商品のPR、商品開発等を行う。北京中医薬大学日本校を卒業、国際中医薬膳師資格を持ち、薬膳アテンダントとしても活動。水産庁「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」認定メンバー。著書に『サバが好き!〜旨すぎる国民的青魚のすべて』(山と渓谷社)、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)など。全さば連HP:http://all38.com/

取材・撮影/池田陽子