50代、60代と年齢を重ねるなかで、服装や考え方、生き方も無理なく楽しくアップデートしていきたいもの。

そんな風に考える人に向け、自身も還暦を迎えたファッションのプロ・地曳いく子さんが行き着いた、「がんばらない」おしゃれ論をまとめた『60歳は人生の衣替え』(集英社)が今、話題です。

ここでは、60代からの服選びがラクになるコツについて、抜粋してご紹介します。

自分のベースカラーを決める

自分の服のベースになる色を決めると、服選びやスタイリングがラクになります。私の経験上、なぜかおしゃれが苦手な人ほどたくさんの色を使おうとする傾向があります。いろいろな色に手を出した結果、統一感がなくなり、かえっておしゃれから遠ざかってしまうようです。

そんな人は、まず自分のベースになるキーカラーを決めましょう。決めておくとコーディネイトに統一性が出て、服選びがかなりラクになります。

●基本は、異なる2色を色の濃淡でそろえる

クローゼットが同じような色ばかりになってしまう? それでいいのです。全身カラフルにいろいろな色を着たい方は別として、基本は、異なる2色、たとえば、ベージュと茶色、黒とグレーなど、基本になる色の濃淡でそろえるとよいでしょう。

紺色とブルーでもすてきですね。そこに、ほかの色みをたすとコーディネイトがうまくいきます。

私の場合、10代の頃からベースカラーは黒でした。それは幼い頃、コンサバなファッション好きだった母親に紺色などブルー系ばかり着せられていたことに対する反発や、ロックやパンク好きだったこと、髪の毛が真っ黒などの理由からです。近頃は白髪対策のヘアカラーでかなり明るい髪色になったため、カーキなどほかの色も着るようにはなりましたが、やはり基本は黒です。

●ベースカラーを決めると買い物もシンプルに

私のローリング・ストーンズ追っかけ仲間の中には、赤しか身につけない友人がいました。とにかく「全身赤」。服はもちろんヘアカラーも赤、シューズもバッグも赤。スーツケースも赤。かなり強烈な個性なのですが、彼女の買い物はシンプルでラクちん。赤いものしか買わないわけですから、選ぶのが早い! プリントや柄ものを買うときも、赤が入っているものにしか手を出さない。コーディネイトも赤いものしかないので決まりやすい、と意外にもメリットばかりでした。

だれもが彼女のような生き方やおしゃれはできないかもしれませんが、「赤」を「ベージュ」や「ブルー」に置き換えてみたらどうでしょうか? 自分のベースカラーを決めるヒントになるような気がします。

地曳いく子さんの『60歳は人生の衣替え』(集英社)は、こちらの記事で紹介した以外にも、年齢を重ね、おしゃれも生き方も“衣替え”するためのアイデアが満載の一冊です。