電気代やガス代、物価上昇が続く昨今。50代からの暮らしにまつわる「これってどっちがおトクなの?」という素朴な疑問に、プロが回答! 今回は老後資金について、CFP®・社会保険労務士・経済エッセイスト・国民年金基金連合会理事の井戸美枝さんと、1級ファイナンシャルプランニング技能士の塚越菜々子さんに教えてもらいました。

先々のお金…おトクになるのはどっち?

年金や老後資金など、先々のお金に関する疑問に答えていただきました。

●年金受給は「繰り上げVS繰り下げ」

⇒平均寿命の延びを考えると、繰り下げして年金を増額した方がおトク

年金を65歳より前に受給開始する「繰り上げ受給」をすると、1か月当たり0.4%減額。65歳よりあとに開始する「繰り下げ受給」をすると、0.7%増額されます。表のように、60歳から受給した場合の80歳までの受給総額は、70歳からの場合より上回りますが、81歳で逆転。81歳以降は長生きするほど受給総額の差は広がります。(井戸さん)

 

●退職するなら「月の最終日VSそれ以前」

⇒月末に辞めると損! 月末以外なら1か月分の社会保険料がおトクに

パートで社会保険に加入していた場合、社会保険料の資格喪失日は退職日の翌日に。仮に3月31日に退職した場合、資格喪失日は翌日の4月1日で、3月中は資格があることになるため、3月分の社会保険料を払う必要があります。一方、3月30日に退職すると、資格喪失日は3月中になり、3月分の社会保険料は必要ありません。健康保険の保険証は退職日まで使用することができます。(井戸さん)

●先々のお金は「投資で増やすVS預貯金で貯める」

⇒10年以上先に使うお金なら長期運用の投資で増やした方が効率的でおトク

金利がほぼ0%の現状では、預貯金より投資の方が効率がいいと言えます。ただし、短期ではなく長期運用。金融庁の調べでは、運用期間5年だと元本割れのリスクがたびたびありますが、20年だとリスクが減り、ほぼ半数が4〜6%の運用成績に。投資でお金を準備するなら、必要な時期が最低10年以上先のものにし、手元にまとまった金額の預貯金を残すことも重要です。(塚越さん)

 

『これからの暮らし by ESSE vol.05』では今回紹介した以外に、50代〜60代の暮らし上手さんが「やめてラクになったこと」、老けない美容とファッション、どっちがおトク?、夏野菜おかずレシピなど、暮らしに役立つ情報が満載。