頭のいい人にあるという3つの特徴とは?(写真:Graphs/PIXTA)

頭がいい人には3つの特徴がある。『偏差値35から東大に合格してわかった 頭がいい人は○○が違う』を上梓した、西岡壱誠さんはそう話します。どんな傾向が見られるのでしょうか。

みなさんは、頭のいい人ってどんな特徴があると思いますか?

僕は今まで、数多くの東大生にインタビューをしてきて、頭のいい人に共通する要素を日夜分析しています。偏差値35から東大に合格した僕にとって、東大生の行動は非常に興味深く、「こんな習慣があるんだ」と驚くようなことをしている人も多いです。

今回はそんな僕が、「これは頭のいい人がみんなやっている習慣だな」と思う習慣を3つ、ご紹介したいと思います。

疑問を調べる人は意外と少ない

1 「すぐにネット検索する」

まずは、「すぐにネット検索する」です。

みなさんは1日に何回、「自分がわからないと思ったこと」を調べていますか?

人の話を聞いたり、本を読んだり、仕事をしたりしているなかで、「これってどういうことなのだろう?」と疑問に思い、きちんと調べている人って、意外に少ないのではないでしょうか。わからないことって、実はたくさんあるはずですよね。

人の話を聞いていて、出てきた言葉の意味を知らないこともあれば、話の流れがよく理解できないときもありますよね。本を読んでいて1個も疑問を持つことなく最後まで100%完全に理解できた、なんてことは、どんなに頭がいい人でもないと思います。仕事でも「あれ?」と思ったりする場面って、ありますよね。

頭のいい人は、ちょっとでもわからないと思ったことや、もっと詳しく知りたいと思った物事を、その場で検索します。

これは大げさな話ではなく、本当に「その場で」検索します。僕も東大生と話していてギョッとすることがあるのですが、話している途中でいきなりスマホやタブレットを取り出して検索しだします。

「話がつまらなかったのかな?」と若干不安に思っていると、「西岡がさっき言ってた話って、この話?」とスマホの画面を見せてきたりします。

「あとで検索すればいいかな」など思わず、「わからない」と思ったらその場で調べる。これが頭のいい人の習慣だと僕は思います。

ちょっとネット検索するくらいなら、たいした手間ではないですが、案外、やらない人が多いものです。さらに一歩踏み込んで「じゃあそれについて調べてみよう」とか、「ちょっと誰かに質問してみよう」と、行動を起こす人って、なかなかいない気がします。

わからないままにするのが気持ち悪い

これについて東大生に「なぜそんなふうにするのか」と聞くと、返ってくる答えはたいてい決まっています。

「だって、そのままにしていたら気持ち悪くない?」

わからないものを、わからないままにしておくことが、気持ち悪い。この感覚を持っているから、知識を貪欲に吸収することができるのではないでしょうか。

2 「言い訳をする」

次は、「言い訳をする」です。

……といっても、みなさん「え?」と思いますよね。「言い訳」って、イメージが悪い言葉だと思います。

間違ったことに対して「そんなこと言ったって、こうだったんだもん!」と言って、「言い訳するんじゃありません!」みたいに怒られた経験がある人も多いんじゃないかと思います。僕も結構あります。

だから多くの人にとって言い訳ってマイナスなイメージがあるものだと思うのですが、実はプラスな側面もあります。それは、「間違いをきちんと分析することができる」というものです。

例えば、「ミスをしてしまった! 気をつけよう!」とだけ考えていると、また同じミスをしてしまう可能性が多いです。

でも、「このミスは、時間が少なくて焦ってしまった結果起きたミスだな。だから今度は、時間的に余裕を持って取り組むようにしなければならないな」と、きちんとミスを分析して「言い訳」を考えれば、同じミスをしなくなることでしょう。

言い訳を考えることは、また同じミスをしなくなるという効果があります。もちろん、ただ「今回はたまたまだから! 次回からは大丈夫!」と、自分の間違いを認めようとしないような「言い訳」は意味がありません。

しかし、自分ができていないところを分析し、「なぜできていなかったのか」を明確にしたうえで、「こうすればできたはずだ」と「言い訳」を考えることができれば、それは次に生かすことができる有用な情報になるはずです。逆に言い訳をしないで間違いと向き合わないでいると、同じようなミスをしてしまうかもしれません。

きちんとミスと向き合う姿勢が大切

東大生は、実は結構「言い訳」をします。

もちろん、「あいつのせいだ!」みたいなことではなく、自分の何が悪かったのか、同じような状況のときにどうするのか、ということをみんなの前でしっかりと話せる人が多いです。「東大生でも、こんなふうにミスと向き合うんだな」と驚かされます。

このように、最初から「言い訳しない」と決めてかかるのではなく、きちんとミスと向き合って「いい言い訳」を考えることができるというのが、頭のいい人の特徴だと言えるでしょう。

3 「批判を歓迎する」

最後は、「批判を歓迎する」です。頭のいい人は、誰かから指摘されたことを素直に受け入れる傾向があると思います。

例えば「あなたは○○だから、そういうところは直したほうがいいよ」などと誰かに言われたとき、みなさんはどのように感じるでしょうか。そして、どう反応するでしょうか。

「そんなことない!」と思って、少しムッとしてしまう人も多いかもしれませんね。

「お前だってできてないじゃないか!」と思って、「お前が言うな!」と返してしまうこともあるかもしれません。

人は誰しも、他人からの指摘を素直に受け入れにくいもので、当たり前のことだと思います。

僕も昔は、ムッとしていたタイプだと感じます。でもよく考えてみるとそれは、自分の欠点を否定したい気持ちが先走って、相手の言っていることを勘違いしたり、ねじまげて捉えてしまったりしていたのではないかと思うのです。

しかし、東大生は必ずしもそうではありません。東大生と話していると、その素直さに驚かされます。他人の指摘や批判をわりと素直に受け入れる人が多いです。

なぜそうなのか詳しく話を聞いてみると、「勉強と同じように、できていないところ・至らないところを改善していけば、必ず結果につながるから」だと言います。勉強でも、間違えた問題を見直してできるようにすれば、成績が必ず上がりますよね。そんなふうに、他人から批判された部分をどんどん改善していくことで、自分自身を磨いていくことができる、というわけです。

ある東大生は、「他人からの指摘というのは、自分の悪い部分を直してくれるような、人間ドックのようなものだ」と言っていました。面白い考え方ですが、たしかにこれは有効な気がしますね。

ただ、こんなふうに考える人も多いでしょう。

「相手からの指摘や批判が、間違っているかもしれないじゃないか」

「明らかに間違っている批判を受け入れるべきではないんじゃないか」

たしかにその通りだと思います。完璧な人間など1人もいませんから、どんな人の指摘であっても絶対ではありません。

しかし、ここで頭がいい人はこう考えます。

「内容の適否はどうであれ、この人が自分の言動に至らぬところを見出し、指摘したという事実は間違いなく存在する」

自省することには意味がある


これはつまり、誰かが「あなたは○○だから、そういうところは直したほうがいいよ」と言ったとしたら、この人が「僕」には「○○なところがある」と認識したことは事実だし、それを「直したほうがいい」と思って、わざわざ「僕」に「伝えよう」と決意したことも、それ自体は揺るがぬ事実だ、ということです。

その事実は、受け入れなければなりません。たとえ相手の認識が間違えていたとしても、「なぜ、僕はこのような指摘を受けるに至ったのか」という自省には意味があると思います。だからこそ、批判を歓迎する姿勢自体は持っておかなければならないというわけですね。

いかがでしょうか? 以上3つの習慣をみなさんもぜひ取り入れてみてください。

(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)