ビッグモーター(写真:つのだよしお/アフロ)

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中古車販売大手のビッグモーター(東京都港区)の一部の店舗前にある街路樹が枯れたり伐採されたりしている問題について、各自治体が調査に乗り出している。2023年7月27日に各メディアが報じた。街路樹の枯死は除草剤による被害ではとの疑惑もあるが、どのような使い方をすれば樹木が枯死するほどになるのか。J-CASTニュースは27日、日本樹木医会の小林明理事に話を聞いた。

各自治体が対応へ

北海道札幌市、福島県郡山市、群馬県太田市、埼玉県所沢市、愛知県名古屋市、滋賀県草津市などで、同社店舗前の街路樹が不自然に枯れたり伐採されたりしていることが確認できたと各メディアが報じた。報道によると、埼玉県は同社所沢店へ聞き取り調査をするほか他店舗へも聞き取りを検討。太田市は土壌を調べたところ除草剤の成分が検出されたことから昨年11月に警察に被害届を提出したという。各自治体がそれぞれ対応を進めている形だ。

また、大阪府の吉村洋文知事もツイッター(現・X)で「大阪府内でも不自然な枯れ木案件が見受けられましたので、担当部局に調査の指示をしました。街路樹は公共物ですので、調査すべきと考えてます」とした。

除草剤の使用については、25日にビッグモーターが行った記者会見で和泉伸二新社長が、約10年前に環境整備点検において除草剤を使っており、街路樹に影響した可能性があるとしている。

除草剤は適正量以上に使われたか

今回も除草剤が使われたとすれば、どの程度の量が使われたのだろうか。小林理事は取材に対し「今まで街路樹に除草剤を撒いた例がなく、除草剤によって木が枯れることのデータがない。強いて言えば、大きなお墓の近くにある木が数本、葉が黄色くなるなど弱ったことがあり、それが除草剤の影響だと言われているが、その程度しか例を聞いたことがない。人体に影響が全くないとは言えないので、普通は使わない」とし、「除草剤は水に溶け樹木に吸収されて初めて害が出るため使用された量や回数は一概に言えないが、製品に記載されている適正な量をかなり超えて使われたのだろう」と説明した。

また公共物である街路樹が枯死、伐採されたことについて「街路樹は道路に面しているため看板などが見えづらく、ある意味では邪魔者かも知れないが、日陰を作ったり道路を歩きやすくしたりする役割もある。大切にしていただきたい」とした。