「女性部長の比率」が高い会社ランキング

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(写真:ふじよ /PIXTA)

女性活躍推進が叫ばれて久しいが、実際に企業の部長職クラスでは、女性の登用はどれくらい進んでいるのだろうか。

今回は最新の『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2023年版(基本的にデータは2022年時点)掲載データを使用して、女性部長比率と同部長数のランキングをそれぞれ50位まで紹介する。

なお、『CSR企業白書』2023年版では400位まで掲載しているのでこちらも参考にしてほしい。

女性部長比率が高い企業は?


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まずは女性部長比率ランキング。1位は都内中心に国内外で料理教室を展開するABC Cooking Studioで100.0%(同部長数は15人、以下同)。従業員数775人中、女性は760人で女性比率は98.1%と高い。女性管理職比率も97.3%と高く、女性活躍が進む会社といえる。

2位はビジネスホテルを展開する東横インで96.7%(232人)。こちらも女性従業員数が2262人で女性比率は78.9%と高水準だ。

3位は不動産管理・仲介のASIAN STARで75.0%(3人)。以下4位アイリックコーポレーション54.5%(6人)、5位富士ソフトサービスビューロ46.2%(6人)、6位コンヴァノ42.9%(3人)と続く。7位資生堂は41.5%(22人)で、2030年までに国内グループ全体で女性管理職比率50%の実現を目標に掲げる。

次は女性部長数ランキングを見ていこう。1位は日本電信電話で829人(同比率は18.2%、以下同)。2025年度までに女性管理職比率15%以上達成、新任女性管理者登用率30%の毎年継続を目標に掲げる。

2位はみずほフィナンシャルグループで412人(7.7%)。2024年7月に国内で課長相当職以上の女性比率20%達成を目標に掲げる。3位は、りそなホールディングスの262人(12.1%)。女性経営職層へのメンタリング制度、女性管理職に対する女性リーダー研修、若手女性向けマイキャリア研修といった階層別の教育に力を入れる。

以下、4位東横イン232人(96.7%)、5位Zホールディングス192人(14.0%)、6位電通グループ190人(9.8%)、7位SOMPOホールディングス164人(23.9%)と続く。

女性部長比率の全体平均は4.9%

100人以上は11位三菱UFJフィナンシャル・グループ(13.6%)、三井住友フィナンシャルグループ(10.1%)の106人までとなっている。

女性部長比率は徐々に増加しているが、まだ全体平均は4.9%にすぎない。比率が高い業種でも保険業14.5%(対象13社)、サービス業11.5%(138社)の2業種しか10%を超えていない。建設業0.9%(79社)、金属製品0.6%(34社)など、ほとんどゼロという業種もある。

6月に決定された「女性版骨太の方針2023」には、役員や管理職における女性の登用推進がうたわれている。しかし、管理職への登用という面では、従来から大きくは進んでいないというのが日本の上場企業の現状だ。




(山谷 明良 : 東洋経済データ事業局)
(村山 颯志郎 : 東洋経済『CSR企業総覧』編集長)