函館記念に出走予定のキングオブドラゴン(撮影:下野雄規)

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 JRAサマー2000シリーズ第2戦[函館記念」は函館開催を締めくくるハンデ重賞。過去10年間で1番人気馬は【1-1-0-8】。トップハンデも【1-2-0-7】。ステップ別では目黒記念、エプソムカップ、鳴尾記念組が2勝づつ。過去10年間でいえば、連対を果たした20頭は巴賞組を除けばすべて重賞競走をステップに挑んできた馬たちだった。ハンデ戦とはいえ多頭数競馬になることが多く、条件戦を勝ち上がったばかりの馬には厳しい結果になっている。今年は馬場の回復状態と逃げ、先行馬が顔を揃えて展開が読みにくく頭が痛い。

 ◎キングオブドラゴンは今年1月の日経新春杯2着馬。このときは自慢の先行力を武器に最後の直線では抜け出すシーンもあり、晩成のハーツクライ産駒らしく、力をつけている印象を受けた。ドウデュースが勝った京都記念は2着マテンロウレオから0.3秒差4着。前走の日経賞は不良馬場の中でタイトルホルダーについていったがさすがに苦しくなった。日経新春杯がそうだったように、少し時計がかかるくらいの馬場なら得意。このメンバーに入れば、この馬の先行力とスタミナは侮れない。

 〇ヤマニンサルバムは寿S優勝馬。3歳1月のデビューから1度も掲示板を外すことなく3勝クラスの寿Sを勝ち、オープン級初挑戦の白富士Sは0.2秒3着。2着ドーブネとは同斤量、同タイムだった。ここまでの成績は【4-4-4-1】。重賞初挑戦となった金鯱賞でもフェーングロッテンに並びかけようというシーンもあって、すぐにでも重賞タイトルに恵まれると思わせたが、その後は不運も重なり壁に当たっている印象だ。逃げ、先行馬が顔を揃えたここは逆に競馬がしやすいかもしれないが、馬場の回復が遅れるようだとマイナスだ。

 ▲イクスプロージョンは関越S優勝馬。前走の新潟大賞典は離されたとはいえ不良馬場の中3着まで追い上げた。毎年、夏になると調子を上げてくるタイプで、今年は北海道シリーズへと参戦してきた。久しぶりの右回り、そして57kgのハンデは少々見込まれた感もあるがオルフェーヴル産駒は斤量泣きすることが少ない。前が止まるような展開になればこの馬の末脚は怖い。オルフェーヴル×シンボリクリスエスならパワーを要求されるような馬場は得意なはずだ。

 △ドーブネは巴賞2着。春は中山記念3着で、白富士Sではヤマニンサルバムに先着している。前走は外枠から先行し、早め先頭。経験はないものの瞬発力に欠ける傾向があるので馬場の悪化は味方にできるかもしれない。

 △スカーフェイスは昨年3着馬。追い込み一手だが重馬場も得意だ。昇級戦になる△ブローザホーンは、いかにも重馬場が得意そうな血統で、不良馬場の前走は強かった。馬場を味方にしたい。同じく、ここが昇級戦となる△ローシャムパークもセントライト記念3着の実績から侮れない。