函館2歳Sに出走予定のベルパッション(撮影:山中博喜)

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 JRAで行われる世代最初の重賞競走だが、未勝利馬1頭を除けば、すべてが1勝馬で、15頭中14頭がキャリア1戦の馬。しかも、ほとんどの馬が先行、または逃げ切りで勝ち上がっており、難解だ。一応、過去10年でいえば新馬戦優勝馬が7勝。新馬、未勝利にかかわらず、前走で函館競馬場芝1200mを経験している馬が【9-6-6-56】と結果を残している。

 ◎ベルパッションは6月18日の函館芝1200m新馬戦優勝馬。スタートのタイミングがあわずにやや頭を上げるようなスタートになったが二の脚早く12.4秒~11.2秒の流れをすぐにリカバリー。好位集団の後ろで脚をためると最後の直線では驚くような加速を見せた。まだ馬場状態が良い開催前半とはいえ11.7秒~11.6秒というレースラップを楽に差し切るのも凄い。ビッグアーサー産駒の半兄イコサンは昨年の函館競馬で勝ち上がり、クローバー賞2着、福島2歳S3着。ダノンレジェンド産駒の芝適性を占う意味でも注目したい1頭だ。

 〇ロータスワンドは、開幕週6月11日函館競馬場芝1200m新馬戦優勝馬。大外枠から12.1秒~11.0秒という速い流れを自分で作り出し、途中、2着馬に詰められる様なシーンもあったが最後は流すように11.7秒~12.1秒でまとめた。半姉兄にブランボヌール、ビアンフェがいるロードカナロア産駒。母ルシュクルも、ここ函館競馬場でデビューし、2歳Sに駒を進めている。そのときは終始力むような走りで6着だったが、札幌ですずらん賞に勝ったように仕上がりの早いファミリーだ。

 ▲レガテアドールは6月24日函館競馬場芝1200m未勝利戦優勝馬。3番人気に支持された芝1000mデビュー戦は案外だったが、中1週の同レースでは好ダッシュからインコースで脚を溜め、最後は逃げた馬と内ラチの間をすり抜けるようにして突き抜けた。小倉競馬場でフェニックス賞2着のちひまわり賞に勝った母レグルドールよりも、ひと回り小柄な馬だが、サトノクラウン産駒らしい立ち回りの上手さを見せた。多頭数競馬を2度経験していることもプラス材料になりそうだ。

 △ナスティウェザーは函館競馬場のダート1000m戦を勝ち上がった。20年ルーチェドーロが同様のローテーションで2着となっている。デビュー戦の内容は秀逸で、馬場が悪化すればチャンスは広がりそうだ。

 △ナナオは7月1日の函館競馬場芝1200m未勝利戦から挑む。ロードカナロア×オルフェーヴルなら、馬場の悪化にも十分対応してくれそうだ。東京競馬場芝1400m戦で勝ち上がった△バスターコールは、母デグラーティアが小倉2歳S優勝馬。阪神競馬場芝1200m新馬戦を好内容で勝ち上がった△チークタイムともども無視できない存在だ。