2014年以来、9年ぶりのプレーオフ進出を目指すロサンゼルス・エンゼルス。やはり大谷翔平の二刀流パフォーマンスは圧巻だが、その影で印象的な活躍を見せている同僚も少なくない。

 

現在、注目度を高めている一人が、若手のミッキー・モニアックだ。16年のドラフト全体1位でフィラデルフィア・フィリーズ入りし、昨季エンゼルスにトレード移籍してきた25歳。6月7日(日本時間8日)の本拠地シカゴ・カブス戦では、攻守にわたって躍動するだけでなく、少年への“神対応”が脚光を浴びたのも記憶に新しい。

 

MLB公式の動画サイト『CUT4』がツイッターで紹介しているのは、両チーム無得点で迎えた3回2死走者なしの場面。高めのストレートを捉えきれなかった1番打者ニコ・ホーナー(カブス)の打球が高々と舞い上がり、右翼のファウルゾーンへ。これに素早く反応したモニアックは、観客席に身を乗り出しながら好捕してみせた。

 

実はこの瞬間、カブスファンの少年と接触しかけていたモニアック。気迫のファインプレーに会場が沸くなか、一度ベンチに引き上げようとしたエンゼルスの背番号16は、ふと何か気づいたように方向転換すると、握っていたボールを少年にプレゼント。この粋なファンサービスには、少年もうれしそうに笑顔を浮かべていた。


紳士的な振る舞いで観るものを魅了したモニアックはこの日、3打数1安打3打点。1点リードの6回2死満塁という局面では、カブスの2番手右腕マーク・ライターJr.が投じた83.4マイル(約134.2キロ)のスプリッターをライト方向へ打ち返し、これが走者一掃の3点タイムリー二塁打に。エンジェルスはその後、6対2で勝利している。


プロ入り後、思うような結果を残せていなかったモニアック。20年にメジャーデビューし、21年に初本塁打を放つが、22年の開幕直前に右手を骨折すると、同年8月のエンゼルス移籍後にも左手中指を骨折。ただ、メジャー昇格を果たした今年5月には、3本の先頭打者本塁打を放つなど、このところ存在感を強めているのは間違いない。


現時点でア・リーグ西地区3位に位置しているエンゼルスだが、果たして今後の戦いはどのようなものとなるだろうか。大谷個人の活躍に加え、同僚たちのパフォーマンスにも注目だ。