Microsoftが、BingのAIチャット機能にかけていた「1セッションでのやり取りは5回まで」「1日のやりとりは50回まで」の制限を緩和することを発表しました。今後は「1セッション当たり6回」「1日60回」の会話ができるようになるほか、将来的には毎日100回の会話ができるようになる予定です。

The new Bing and Edge - Increasing Limits on Chat Sessions | Bing Search Blog

https://blogs.bing.com/search/february-2023/The-new-Bing-and-Edge-Increasing-Limits-on-Chat-Sessions

OpenAIの大規模言語モデルを組み込んだMicrosoft BingのAIチャットボットは、テストにより「チャットセッションが15回以上に及ぶと動作が急激に不安定になる」との問題があることが分かりました。これを受けて、MicrosoftはBing AIとのやり取りの回数に制限をかけることを発表しましたが、ユーザーからは「Bing AIが抜け殻になってしまった」と、AIの性能が制限されたことを残念がる声が上がっていました。

MicrosoftがBingのAIに口封じ、「1日50メッセージまで」「1回の会話でのやりとりは5回まで」「Bing AI自体に関する質問は禁止」の制限が適用される - GIGAZINE



こうした中、Microsoftは2023年2月21日に公式ブログを更新し、チャットセッションの制限数を引き上げて、1度のセッションでのやり取りは6回まで、1日に可能なやり取りを合計60回までにしたことを発表しました。

Microsoftは今回の対応の理由について、「制限は長いチャットセッションが基礎的モデルを混乱させるという、一握りのケースに対応するものでした。しかし、チャットに制限を設けて以来、多くの方から『より効果的な検索とチャット機能での対話を実現するために、また長いチャットができるようにして欲しい』と望む声をいただいています」と述べて、多数のユーザーからの要望により制限の緩和に踏み切ったと説明しました。

また、これまでは通常の検索もBing AIとの会話にカウントされていましたが、今回の変更により通常の検索はカウントされなくなったとのこと。さらに、Microsoftは近日中に1日の会話数の制限を60回から100回に引き上げる予定としているほか、新機能のテストを開始する計画も明らかにしました。

Microsoftは発表の中で、「チャットのトーンを選択できるオプションを追加し、より簡潔でより検索にフォーカスした回答が得られる『Precise(精密)』や『Balanced(バランス)』、より長くよりおしゃべりな回答が得られる『Creative(クリエイティブ)』のテストを開始する予定です。これは、お客様のニーズに合わせてチャットの動作をより詳細にコントロールできるようにすることを目的としています」と述べました。