2022年10月27日にイーロン・マスク氏がTwitterを買収しました。マスク氏はTwitterの収益を改善するための施策として、認証済みバッジが買える「新生Twitter Blue」を発表。この認証済みバッジが買えるTwitter Blueが登場したことで、公式になりすました偽アカウントが大量発生。その結果、Twitterは認証済みバッジが買えるTwitter Blueを一時停止しています。この偽アカウントの大量発生はTwitterに広告を出稿する広告代理店にまで波及しており、大手代理店は企業にTwitterへの広告出稿を停止することを推奨していると海外メディアが報じています。

Another major ad agency recommends pausing Twitter ad campaigns - The Verge

https://www.theverge.com/2022/11/11/23453575/omnicom-media-group-twitter-advertising-pause

海外メディアのThe Vergeが独自に入手した内部メモから、マクドナルド・Apple・ペプシコなどを顧客に抱える世界最大の広告代理店のひとつであるオムニコムグループは、顧客に対してTwitterへの広告出稿を一時停止することを推奨していることが明らかになっています。

The Vergeが入手したオムニコムグループの内部メモは、「Twitter:継続するブランドの安全性に関する懸念」というタイトルになっており、顧客に対して「Twitter上での広告活動を短期間停止すること」を推奨しています。このメモには「Twitter上で広告を掲載するブランドに深刻な影響を与える可能性がある」として、Twitterで起きているTwitterの信頼および安全チームの大量解雇、著名幹部の辞職、なりすましアカウントの大量発生などが挙げられています。

Twitterが認証済みバッジを購入可能にしたことで公式になりすました偽アカウントが大量発生中 - GIGAZINE



上記の出来事によりTwitterの安全性が急激に低下しているとオムニコムグループは言及しており、メモには「クライアントのブランド安全性に対するリスクが、ほとんどの人が容認できないレベルにまで急激に上昇したという証拠があります」「Twitterがセーフガードを許容レベルにまで引き上げ、環境の制御を取り戻したことを証明できるまで、Twitterでの活動を一時停止することをオススメします」と記されているそうです。

さらに、オムニコムグループは内部メモの中で「これらの問題がコンプライアンスに準拠したプロセス、運用、製品、ブランドの安全性、およびプラットフォームへのクライアントの投資にいかなる形でも影響を与えないことをTwitterに保証することを正式に要求した」と記しています。加えて、記事作成時点ではこれらの分野の上級管理職がいるにもかかわらず、「Twitterはそれらの保証を与えることができなかった」と内部メモには記されています。



CNBCの報道によると、別の広告代理店であるインターパブリックグループ(IPG)も、顧客にTwitterへの広告出稿を一時停止することを推奨しています。さらに、フォルクスワーゲンやゼネラルモーターズなどの企業もTwitterへの広告宣伝費を削減していることが明らかになりました。

また、Twitterが認証済みバッジの販売を開始する前、つまりなりすましアカウントが大量発生する前のタイミングで、すでに一部の広告主がTwitterへの広告出稿を停止していることが報じられていました。

イーロン・マスク体制によるTwitterの無法地帯化を危惧した広告主が広告出稿を続々停止 - GIGAZINE